こんにちはIT推進委員会です

はじめに


2720 Japan O.K. ロータリーEクラブならびにその他のロータリークラブの皆様、2720 Japan O.K. ロータリーEクラブ IT推進委員長の上田です。このコラムも一応存在しているということで、ほぼ年1投稿で申しわけないですが、年度の最後、委員会として皆様のためになるお話になればと思います。

IT技術の進化は、生成AIの登場によって新たな局面を迎えています。ChatGPTはその代表格であり、私たちの生活やビジネスに革命的な変化をもたらしています。今回は、生成AI時代の地方中小企業の取り組み方、そしてロータリークラブの役割について考えてみたいと思います。


生成AIが切り拓く未来



この映像はちょうど一年近く前、去年の7月に同じクラブの今長会員と一緒に我がクラブ向けに行った、生成AIのセミナー模様です。懐かしいですね。

あれからさらに、生成AIは私たちの想像を超えるスピードで進化し、多岐にわたる分野でその可能性を示しています。ChatGPTのようなテキスト生成AIは、私たちのコミュニケーションや情報収集の方法を大きく変えつつあります。

しかし、ChatGPTだけでなく、さまざまなAIが驚くような機能を搭載して、毎週のようにアップされております。テキストだけでなく、画像、動画、音声、音楽、そしてビジネスや生活する内容を代行したりアイデアをだしたり、さまざまな活用が進んでおります。

先週でも衝撃の動画AIがでました。
Luma Dream Machine
https://lumalabs.ai/dream-machine

このサービスを活用して、亡くなった奥さんの写真を使って動画にした方のX(旧Twitter)がバズりました。
生成AIなどを活用して、故人を復活させるものは賛否がありますし、自分自身の考えはまた別にありますけども、クオリティーを見た際には正直すごいな〜と思った次第です。

もうSoraは不要なのか。動画生成AIの新基準「Luma Dream Machine」をサブスクしてわかった「ハリー・ポッターに出てくるような魔法」の使いこなし術(CloseBox)
https://www.techno-edge.net/article/2024/06/14/3468.html

上記のような内容のAIに加えて、現存する生成AIも機能と処理容量・スピードが上がり、できることが増える、精度が上がっているというリリースがほぼ毎週のようにアップされています。


ビジネスにおける生成AIの活用


生成AIは、ビジネスの現場でもその力を発揮しています。例えば私の主戦場でもあるマーケティング分野では、効果的な広告コピーやキャッチフレーズを生成し、マーケターの業務効率化に貢献しています。リサーチなども精度が上がっており、作業の時短にもつながっております。また、カスタマーサポート分野では、ChatGPTが、顧客からの問い合わせに自動応答し、企業の負担を軽減しています。


生成AIの功罪


IT専門家である尾原和啓氏は

「生成AIは、人間の創造性を拡張し、新たなイノベーションを加速させる可能性を秘めている」

と述べています。生成AIは、私たちの創造的な活動をサポートし、より豊かな社会を実現するための強力なツールとなるでしょう。

それと同時に多くの仕事がなくなっているのも事実。音楽関係者とつながりのある方とお話しした際、

「今までバンドだけでは食えなかった部分は、CMとか広告などその他の作曲・アレンジの仕事とかあったけど、AIがでできるようになって一気にそんな仕事は無くなった。暇になってどうしようと途方にくれている。」

という内容に衝撃を受けました。

しかし、私自身に置き換えても、今まで外注していたパーツ的なところも生成AIがある程度のクオリティでできるようになったため、外注することもなくなっていました。

自分自身がある程度オールマイティで地方で長く仕事をしていた経験から、「AIを活用してやろう」というマインドがあったため、仕事が減る部分もあったのですが、時短ができて重要な仕事に注力しやすくなったのは良かったと個人的には感じています。

自分自身は今までの経験が活かせる活用、つまり生成AIが出力したものが、内容として適切なものかどうか?またはちゃんと裏が取れているものかどうか?などをジャッジして活かせる方法が可能なのですが、これから学んでいく新人の方々などは、そういう経験を積むような下働きを含んだ実践の場が失われることもあり、働き方界改革のような時間が限られるなかでのキャリアアップは、本当に難しい時代でもあり、いままで通りの仕事のやり方も変えないといけない時代になったのだなと感じています。


生成AIの未来


生成AIは、まだ発展途上の技術ですが、その可能性は無限大です。今後、生成AIは、教育、医療、科学など、様々な分野で活用され、私たちの生活をより豊かに、便利にしていくことでしょう。私たちも、生成AIの進化を積極的に受け入れ、その可能性を最大限に引き出すことで、新たな価値を創造していくことができるはずです。



地方中小企業が生成AIを活用するには?


地方の中小企業にとって、生成AIは「まだ遠い未来の技術」と感じるかもしれません。しかし、ChatGPTをはじめとする生成AIツールは、すでに無料で利用できるものが多く、中小企業でも手軽に導入することができます。

前述でご紹介した尾原氏は、「生成AIを使いこなすには、まず触ってみることが重要」と述べています。生成AIに質問を投げかけたり、コンテンツ生成を試したりすることで、AIの得意なこと、不得意なことを理解し、自社の業務にどのように活用できるかを具体的に検討することができます。


生成AI導入のポイント


  • スモールスタート: まずは無料ツールから始め、効果を実感してから有料プランへの移行を検討する。
  • 目的を明確にする: 何のために生成AIを活用するのか、目的を明確にした上でツールを選ぶ。
  • 社員教育: 生成AIを使いこなせる人材を育成し、社内全体のAIリテラシー向上に努める。
  • 情報セキュリティ: 生成AIに機密情報を入力しないなど、情報セキュリティ対策を徹底する。

地方中小企業が生成AIを活用する上での課題と解決策


地方中小企業が生成AIを活用する上では、以下のような課題が考えられます。


  • IT人材の不足: 生成AIを使いこなせる人材が不足している。
  • コスト: 生成AIツールの導入や運用にコストがかかる。
  • 情報セキュリティ: 生成AIに機密情報を入力することによる情報漏洩リスク。

これらの課題に対しては、以下のような解決策が考えられます。


  • IT人材の育成: 社員研修や外部セミナーなどを活用し、生成AIを使いこなせる人材を育成する。
  • 補助金制度の活用: 生成AI導入に関する補助金制度を活用し、コスト負担を軽減する。
  • セキュリティ対策: 生成AIに機密情報を入力しない、セキュリティ対策ソフトを導入するなど、情報セキュリティ対策を徹底する。

生成AIは、地方中小企業にとっても、業務効率化や新たな価値創造を実現するための強力なツールとなり得ます。生成AIの導入には、スモールスタート、目的の明確化、社員教育、情報セキュリティ対策などが重要です。課題を解決しながら、生成AIを積極的に活用することで、地方中小企業はさらなる成長を遂げることができるでしょう。


地方中小企業の活用が大きな差を生む


尾原氏は、「AIは地方から始まる革命である」と述べています。都市部よりも課題が顕在化している地方こそ、AIの力を活かせる場であると指摘しています。人口減少や高齢化、インフラ維持などの課題を、AIを活用してスマートに解決することが地方の未来を切り拓くと尾原氏は考えます。また、AIと人間が協働する社会の実現を訴えています。AIにタスクを代替させつつ、人間は創造性を発揮する役割を担うべきだと述べています。同時に、AIの社会実装におけるプライバシーや公平性などの倫理的・社会的責任についても注意を促しています。

ということを考えるといち早く取り組み、自社の形として実装・運用できることが実現すると、企業間の差がさらに開く可能性が考えられます。高度経済成長時代からのビジネスフォーマットは人口が増えていく前提で成功したもので、企業の中ではそのままのところが多いと考えられます。一年間に鳥取県の人口が減っていくペースの日本において、人が増えない前提でも仕事が回る仕組みが必要かと考えており、この機会に業務の棚卸しをおこなって、ボトルネックをどうやって解消するかを考える機会が来たと感じております。

総人口、1年間で55万人減少 鳥取県の人口に相当
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA025FR0S3A500C2000000/



生成AI時代の地域社会・地域ビジネス・人のあり方


生成AIの進化は、地域社会、地域ビジネス、そしてそこで働く人々のあり方に大きな変化をもたらします。単純作業や定型的な業務を生成AIに任せることで、人間はより創造的な仕事に集中できるようになり、新たなサービスやビジネスモデルが生まれることで、地域経済の活性化にもつながると期待されます。


生成AIが変えられる地域社会


地域情報の発信


  • ChatGPTを活用した観光情報サイトの多言語化: 地域の魅力を世界に発信し、インバウンド観光客の誘致を促進。
  • Midjourneyを活用した地域PR動画作成: 地域の風景や文化を魅力的に表現し、地域のイメージアップに貢献。
  • ローカルメディアと連携した生成AI活用: 地域のニュース記事やイベント情報を生成AIで効率的に作成・配信。

地域コミュニティの活性化


  • ChatGPTを活用したオンライン交流イベント企画: 地域住民同士の交流を促進し、コミュニティの活性化に貢献。
  • 生成AIを活用した地域イベントの企画・運営: イベントのテーマやコンテンツを生成AIで考案し、集客力を向上。

行政サービスの効率化


  • ChatGPTを活用した行政手続き案内: 複雑な行政手続きを分かりやすく説明し、住民の利便性を向上。
  • 生成AIを活用した行政文書作成: 報告書や議事録などを生成AIで効率的に作成し、職員の負担を軽減。

生成AIが変える地域ビジネス


新たなビジネスモデルの創出


  • 地域の特産品をテーマにした生成AIアート作品の販売: 地域の文化や魅力を新たな形で発信。
  • 生成AIを活用したパーソナルスタイリングサービス: 地域の衣料品店と連携し、顧客の好みや体型に合わせたコーディネートを提案。

既存ビジネスのDX推進


  • 生成AIを活用した顧客対応の自動化: 顧客からの問い合わせにChatGPTが自動応答し、業務効率化を実現。
  • 生成AIを活用したマーケティング戦略の最適化: 顧客データ分析に基づき、ターゲットに合わせた広告やキャンペーンを生成。

生成AIが変える「人のあり方」


創造性の解放


  • 生成AIが単純作業を代替することで、人間はより創造的な仕事に集中できるようになる。
  • 生成AIとの協働を通じて、人間の創造性を刺激し、新たなアイデアやイノベーションを生み出す。

新たなスキル習得の必要性


  • 生成AIを使いこなすためのスキル習得が求められる。
  • AIリテラシー教育の重要性が高まる。

働き方の変化


  • リモートワークの普及が加速し、時間や場所にとらわれない働き方が可能になる。
  • 副業やフリーランスなど、多様な働き方が広がる。

生成AIは、地域社会、地域ビジネス、そしてそこで働く人々のあり方を大きく変える可能性を秘めています。生成AIを積極的に活用することで、地域は活性化し、人々はより創造的な活動に集中できるようになるでしょう。同時に、生成AIを使いこなすためのスキル習得や、変化する働き方への適応が求められます。



ロータリークラブの新たな役割


生成AI時代において、ロータリークラブは、その国際的なネットワークと地域社会への深い関与を活かし、新たな役割を担うことができます。ロータリークラブは、地域社会における生成AIリテラシー向上の中心的な役割を担うことができると考えています。


ロータリークラブが生成AI時代に対応するための具体的な活動


生成AIに関する情報提供と啓発活動


  • 会員向け勉強会やセミナーの開催: 生成AIの基礎知識や最新動向、活用事例などを共有し、会員のAIリテラシー向上を促進。
  • 地域住民向けセミナーやワークショップの開催: 生成AIに関する正しい知識を普及し、地域社会全体のAIリテラシー向上に貢献。
  • オンライン情報発信: ロータリークラブのウェブサイトやSNSを活用し、生成AIに関する情報を発信。

会員企業の生成AI導入支援


  • 生成AI導入に関する個別相談: 会員企業の課題やニーズに合わせて、最適な生成AIツールや導入方法を提案。
  • 生成AI活用事例の共有: 会員企業同士が生成AIの活用事例を共有し、互いに学び合う場を提供。
  • 専門家との連携: 生成AIに関する専門家を招き、会員企業の課題解決を支援。

地域社会における生成AI活用プロジェクトの推進


  • 地域課題解決のためのアイデアソンやハッカソンの開催: 生成AIを活用した地域課題解決のアイデアを創出し、具体的なプロジェクトを推進。
  • 地域の教育機関との連携: 小中学校や高校で生成AIに関する授業やワークショップを実施し、次世代のAI人材育成に貢献。
  • 地域のNPOやボランティア団体との連携: 生成AIを活用した地域貢献活動を実施。

ロータリークラブでの生成AIについての活動


具体的な例として、我々のクラブだけでなく、徳島南ロータリークラブでは、2023年5月に「生成AIと効率化テクノロジー」というテーマで例会を開催し、生成AIの基礎知識や活用事例を紹介しています。


講演「生成AIと効率化テクノロジー(徳島南ロータリークラブ例会)」 - note:


https://note.com/motohasystem/n/n910b2cf54fbf

また、厚木ロータリークラブでも、2023年8月に「生成AIについて」というテーマで例会を開催し、生成AIの基礎知識や倫理的な課題について議論しています。


第3057回 例会「生成AI について」 - 厚木ロータリークラブ


http://atsugi-rotary.jp/?e=1825

これらの例会では、ChatGPTのようなテキスト生成AIだけでなく、画像生成AIや音楽生成AIなど、様々な生成AIツールが紹介され、その活用可能性について議論されています。

さらに、静岡中央ロータリークラブでは、会長の時間でChatGPTのことに触れており、例会資料のペーパーレス化や出席管理のデジタル化など、クラブ運営の効率化にITツールを活用している報告もありました。


令和6年1月22日(月)【第1569回】例会|クラブ週報 - 静岡中央ロータリークラブ


https://www.shizuoka-chuo-rc.jp/club/3002/


このように、一部のロータリークラブでは、すでに生成AIの活用や報告が行われています。今後、さらに多くのロータリークラブが生成AIを活用し、その成果を共有していくことが期待されます。


ロータリーの新たな役割


生成AI時代において、ロータリークラブは、その国際的なネットワークと地域社会への深い関与を活かし、生成AIに関する情報提供、会員企業の生成AI導入支援、地域社会における生成AI活用プロジェクトの推進など、多岐にわたる活動を通じて、地域社会の活性化と発展に貢献することができます。

ロータリークラブは、多様性と奉仕の精神を大切にする組織です。生成AIという新たなツールを積極的に活用し、地域社会に貢献していくことで、ロータリークラブは、より一層その存在意義を高めていくことができるでしょう。



最後に


ロータリークラブだけでなく、さまざまな地域、企業、ビジネスパーソンにとっても意識すべき(もう意識しないように、自然に入り込んでいるかもしれませんが)転換期に入っていると思います。

そのようなニーズはChat GPT 4oがリリースされ、その機能の凄さに、ここぞとばかりにいろんなところで生成AIのセミナーや講座、研修も増えて、私自身もセミナーの依頼や相談が増えております。

幸いにも、我がクラブには生成AIに詳しい方々が何名かいらっしゃいますので、我がクラブであれば他クラブよりもいろいろな実験を含めた取り組みも、行いやすいかと思います。
生成AIにとらわれず、積極的なITへの取り組みを他クラブが参考になるように推し進めたいと考えております。

次年度もIT推進委員長ですので、意識を持って行動できればと思います。
最後までありがとうございました。


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