DXから読み解く過去・現在・未来
みなさん、お疲れさまです。
2720 Japan O.K. ロータリーEクラブ IT推進委員会委員長の株式会社サークル・オブ・フレンズ 代表取締役 上田浩二です。
IT推進委員会委員長というお役目を拝借して何もやっていない感じが漂っており、読んで頂いている読者(ロータリー会員)に貢献せよということでIT推進についてコラムとして筆をもつ事になりました。(汗)
デジタル・トランスフォーメーション(Degital Transformation)って?
IT推進ときいてピンと来る話題といえば、DX。デジタル・トランスフォーメーション(Degital Transformation)ですね。
「デジタルトランスフォーメーション」とは、企業がデジタル技術を活用して、かつてない躍進するビジネスモデルを生み出したり、業務や組織や文化を変化させたりすることで、企業を躍進させたり、競争力を強化したりすること。
IT技術の活用だけではなく、そこからビジネスそのものを変化させていくことまでが含まれている方針転換の言葉ですね。
2018年、経済産業省が日本企業においてもデジタルトランスフォーメーションを進めるべきであるとして、「DX推進ガイドライン」を公開しました。経済産業省はこのガイドラインの中で、デジタルトランスフォーメーションを「企業が、変化するビジネス環境に対応するためにIT技術を活用して業務改革を行い、競争力を高めるもの」として推奨しています。
このように経済産業省が推進を提言したため、国内でもデジタルトランスフォーメーションに対する注目度が高まりました。
経済産業省のデジタル・トランスフォーメーション
https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html
なぜDTではなくDXなのか?
Degital Transformationであれば、「DT」なのに「DX」なのか??
欧米では「Transformation」は「X-formation」と表記されるため、頭文字を取ってDXと略されるようになりました。
「Transformation」が「X-formation」と表記される理由は、「Trans」という言葉の由来にあります。この単語はラテン語の「trans」が由来で、「変える」や「超える」といった意味を持ちます。この場合の「trans」は、「cross」という言葉と同義です。「交差する」という意味の「cross」は省略して「X」と書かれ、同じ意味の「trans」も「X」で代用されるようになりました。
他の意味でもXというのは強調というか限界を超えたという意図もあり、デジタルを活用して「劇的に変化させる」ということを強調しているのだと思います。
日本でのビジネスを単にオンライン化するという次元で捉えられがちなところを、欧米では劇的にITを使ってビジネスモデル変えるという意味では捉え方も意気込みも雲泥の差なのかなと思ったりします。
コロナで変わったのか?
そういう姿勢でみると日本の企業と欧米の企業では取り組みかたは次元が違っていたのかも知れません。2018年に経産省が発信していても一向にドアが開かれたことがなかったこのDXが一気に進む出来事が起きました。
世界的コロナ感染症拡大の事態です。
現在第五波がおさまり、通常の生活に戻りつつありますが、コロナ前の状態には100%戻らず、今まで見たことがない世界が構築されているように感じます。
未だに自宅で仕事するテレワークは続いていますし、これからも100%出社という事ではない新しい仕組みで案件も動かすような状況になっています。特に私がいる業界(広告・マーケティング)は顕著だと思います。
現在午前3時30分に原稿書いている時点、「DXすすんでねーだろう!」とのツッコミも聞こえてきそうですが(笑)、福岡県の緊急事態宣言がある度に在住の山口県下関市と事務所のある福岡県北九州市を往復する事もはばかれる雰囲気で、リモートワークは増えていった次第です。
業界で言えば、知り合いの東京のIT関係の方々は、家賃の兼ね合いで「事務所半分にした」とかの話や、東京と福岡を半々にすることで福岡に家建ててるの話に仰天したり、ビジネスの取り組みかたも劇的に様変わりしてるのだなと痛感しております(程よい都市感と空港から地下鉄数駅という立地のスモールスマートシティの理想を体現している福岡市のアドバンテージをも実感してます)。
一般企業においてもリモートワークがよぎなく、使用障壁が低いオンライン会議システムZOOMがものすごい勢いで広がったのも象徴的でした。
2720 Japan O.K. ロータリーEクラブにおいても、他クラブが例会が開けない中、唯一例会を開き続けるクラブとして注目をあつめたかと(実際はどうなのか分かりませんが:笑)思っております。
DXが叫ばれる中
コンサル業界でもDXコンサルの方はめちゃくちゃ忙しいとの話をきいており、そんな時にこのエントリーを目にしたのです。
DXコンサルが絶対に言わない後ろめたい真実
https://note.com/naoto111/n/nebd8adf8e69e
ここでいわれてる、「トップの視座を上げよ」とは「異なるパラダイムを経営に内包せよ」だと言う事はとても大事だなと感じました。
自分自身に置き換えても、元々はいちグラフィックデザイナーであったところからスタートし、Webの出現でそれを習得し、ただつくるだけでなくマーケティングも必要だと学び(まだまだ学び継続中)、SNSのニーズに対して対応するため実績を積みつつ資格をとり、クライアントのニーズに対応するため、商品開発、LINE公式アカウントコンサルタント、キャッシュフローコーチの習得まで変化したことです。専門的な学校は出たわけではなく、普通の大学をでたのですが、「レコードジャケットつりたい」と飛び込み入れた業界のグラフィックデザイナーから独学だったので、自分自身で学ぶ耐性はできていたのかも知れません。
もちろん、それ一本でできる腕がなかったのかも知れません。いち制作者として会社内で仕事をしていた時とは違い、フリーランスとして一本立ちし、数年前には法人化した自分が直接お客様と対峙する機会が圧倒的に増えた事によって、「クライアントにとってできる事って何だろう?」が原動力となった変化だったと思います。
実際、最終的には自分で作業しなくとも、クライアントとのやり取りの中で仕掛けるものの内容を細部まで理解するには自分でできるようにならないとと思った行動で、それは自分自身の熱量も必要でしたが、外部の劇的な環境変化も要因の一つだったとも思えます。
4〜5年で競争優位の前提が変わる弱肉強食IT業界に身を置いてしまったためなのかもしれないですが、とにかく足を突っ込んだ以上、ついていかないと行けない部分は頑張らないといけないとハッパをかけ続けて今も走っているような感じです。
そういった意味では、2000年以前に生まれた企業にとっては、このような変化に適応していくのはなかなか大変なのだと思います。組織が大きければ大きいほど。そこでの「トップの視座を上げよ」はそうなんだろうなと身軽な自分は考えるのでした。
若い世代から変わっていく働き方
自分よりも若い世代の方達と接する事も多いので、そんな方々を見ていると明らかに年功序列制度のあった時代から変化してきている事を感じます。
こういう人達がすべてとは限らないですけども、会社をプロジェクトと見てある程度軌道に乗った時点で退職またはM&Aで売却し、また新しいプロジェクト(会社)に参画または起業する、といった感じでキャリアパスしていく人達が増えたような気もします。
私のいる業界がそういった部分では激しいのかも知れませんが、世界がひとつのウイルスによって大きく環境が変わる事で、働くということについて自分の中で変わっていく部分・変わらない部分はしっかり考えて前へ進んでいかないと生き残れないと実感しています。
個人ではあるけども経営者の側面を持って仕事している事から、そういう考え方になったのかもしれないですし、ずっと雇われる側での意識で止まっていたら持っていない視座だったかもしれません。
ITとの付き合い方
私の専門分野であるマーケティングでもデジタルで行う施策は、データも取れて次に打つ施策に対してもデータを元に予測できる範囲は広がっています。
しかし、アナログ的な手法、例えばチラシなんかをある地域に●●●枚配布して、反応率がどれくらいあったか?とかの数字を記録して、顧客獲得コストがどれくらいあったか?を確認したり、デジタルとアナログのクロス施策でLTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)としてどういった数字が出るか?など、すべてがデジタル優位であるというわけでなく、顧客獲得コストはアナログの方が良かったりする事例もあったりします。
あくまでもITは効率化の手段であって、それを扱うのは人。人の深層心理を予測して施策を打ち、トライアンドエラーを繰り返しながらPDCA(Plan<計画>・Do<実行>・Check<評価>・Action<改善>)を効果的に回すのは人だったりします。
主に日本でおこなわれているDXではsalesforceやzoho、サイボーズの顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)のツールをつかって効率的におこなうのですが、皆さんが日常使っているLINEでも公式アカウントと外部連携でCRM的な事も実現できたりして、効率化・自動化はかなり進んではいるのですけども、最終的に活用するのは人です。見込客やロイヤリティー顧客に対してのピックアップは可能ですが、そこからは人が重要になるセールスの段階になってきます。
セールスをする際も、トークスクリプト(営業台本)はあったとしても、ロールプレイ(ロール<役割>プレイ<演じる>:実際の現場や場面を想定して、そこに出てくる登場人物の役割を演じ、擬似体験の中でスキルを身につけ、高める学習方法)をして、実際に営業活動行うのも人であります。
コロナ後、元に戻る部分とそうでない部分がでてきて、コロナ前には完全には戻らず、あらたな世界が広がっていると想像できます。
アナログ時代も知る自分自身にとって、デジタル時代がやってきた事は、必ずしも困難なことばかりではなく、自分の立場ではできなかったことが、技術革新と環境変化によって、軽々と実現できる事も増えたため、役割も変わりできる事も増えた喜びもあります。
最終的にはこれからの激変する社会環境に対して適応するために、自分自身の力をアップデートし続ける必要あると感じています。