AI 時代に向けた “Gentle Rotary”
はじめに――“Gentle Rotary”へ、ちょっと肩の力を抜いて
どうも IT 推進委員長の上田です。「推進委員長」なんて聞こえは立派ですが、実際は毎日 AI の新機能を触っては「あれ? また なんか変わってる!」と騒いでいる、ただの tech 好きオジサンです。委員会活動をおろそかにしているため、罪滅ぼしのコラムをかいて、いつも埋め合わせている気になっている状況でよくないですね。毎年毎年。。。。
さて――OpenAI のサム・アルトマンが先日書いたブログ「The Gentle Singularity」を読んで、自分はコーヒーをこぼしそうになりました。彼いわく「もうイベント・ホライズン(事象の地平線)は越えちゃったよ。でも世界は意外と静かだね」と。要するに、AI の激流に足首まで浸かっているのに、まだ本腰で気づいていない人も多い、という話です。(この半年のアップデート合戦でなんとなくは気づいていたけど。。。)
The Gentle Singularity
Sam Altman(Open AI CEO)
https://blog.samaltman.com/the-gentle-singularity
そこへ尾原和啓さんのコラムが重なります。「テクノロジーが進めば進むほど、人と人との関係こそ希少資源だ」と。AI が文章を量産できるほど、“誰と組むか”“誰に頼られるか”が競争力になる――尾原さんらしい逆張りの視点ですね。
AI時代の逆説:テクノロジーが進歩するほど人間関係が重要になる理由
尾原 和啓 (IT批評家:アフターデジタル/プロセスエコノミーなど著述)
https://note.com/kazobara/n/n29eebf8263ea
ロータリー歴はまだ浅い僕ですが、クラブや経営者が集まる場では毎回「AI って怖いものじゃなくて、上手に飼い慣らすワンコみたいな存在ですよ」と力説しています。ところが声をかけてくださる方の表情は、ワンコを飼う前夜の小学生そのもの――ワクワク3割、不安7割。
だからこそ本稿では、
- AI が現実世界に入り込むスピード感と、その裏で何が静かに変わっているのか
- 働き方・会社・コミュニティがこれからどう形を変えそうか
- 若者・バリバリ世代・ベテラン世代――それぞれが “AI と手を組むコツ”
- ロータリークラブが打てる次の一手
を、いつもの“ちょい砕け気味”の語り口でお届けします。箇条書きは極力減らし、今までちょっと堅苦しかったコラムでしたが、今回はもっと肩の力を抜いて、自分の普段の雑談混じりに話しているトーンで進みますので、お茶でも啜りながらお付き合いください。
ジェントル・シンギュラリティって結局なんなの?
アルトマンのブログを開くと、最初の一文が「We are past the event horizon.」。ブラックホールの“事象の地平線”を越えた――つまり、もう後戻りはできない地点を通過したという宣言です。けれど彼は続けて「でも街角にロボット軍団が闊歩しているわけでもないし、僕らは相変わらずコーヒーを淹れ、犬の散歩にも出かけている」と書いています。要するに、決定的な変化は始まっているのに、爆発音は聞こえない。これが “Gentle Singularity(ジェントル・シンギュラリティ=優しい特異点)” だというわけです。
“優しい”とは何か。アルトマンは二本のレバーを示しています。ひとつは Alignment(アライメント=AIを人の価値観に合わせる安全設計)、もうひとつは Incremental Deployment(漸進的な実装)。巨大なモデルをいきなり野に放たず、試験運転 → フィードバック → 改良を短いサイクルで回す。だから変化は静かで、けれど確実に深い。私たちがコーヒーを啜っている足元で、仕事の地層がじわじわ動いている──そんなイメージです。
静かな地殻変動の現場
自分は “ひとり株式会社” を営んでいるので社内稟議(りんぎ)というものは存在しません。ですが、取引先の中堅メーカーからは「見積書のドラフトをまず GPT に書かせ、人間は確認と赤入れだけになった。残業が激減した」と聞きました。派手さゼロなのに効き目はバツグン。なるほど“優しい”革命です。
もっとも“優しい”からといって 痛みゼロではありません。尾原さんが指摘するように、情報がコモディティ化(均質化)していくほど、人と人との「つながり」や「信頼残高」が希少資源になります。エクセルの達人ももちろん大切です――が、AI が表計算を自動でこなす時代には、「あの取引先の懸念を先回りして察し、次の一手を提案できる人」がさらに重宝される。AI が賢くなるほど、人の“存在感”は二極化するわけです。
ジェントル・シンギュラリティが投げてくる三つの問い
1. 仕事は“タスクの束”に分解される
従来の職種は、議事録取り、見積り作成、企画立案……といった小さなタスクの寄せ集めでした。AI はまず反復と文書化が容易なピースを奪います。残るのは「誰とどんな価値を産みたいか」という文脈設計と、実地検証の汗かき部分です。
2. 学びのサイクルが“半年単位”になる
モデルのアップデート頻度が月次レベルのいま、5年計画のスキルマップはほぼ役に立ちません。代わりに「半年ごとに自分の武器をメンテナンスする」感覚が必要になります。
3. “場”の価値が跳ね上がる
AI が画面上で何でもしてくれるほど、リアルの場は“体験型プレミアチケット”になる。シンプルに言えば、会って話す/手を動かす/その場の空気を共有すること自体が、希少な付加価値になるのです。
こうして見ると、アルトマンの“Gentle”は「おだやかに進むから安心してね」という慰めではなく、「静かに来るから気付きにくいけど、気付いた人から次の土俵へ移っているよ」という警告にも聞こえます。
さて、次の項ではこの“静かな地殻変動”が 若い世代、働き盛り世代、そしてベテラン世代 にそれぞれどんなチャンスと宿題をもたらすのか。ロータリー仲間だけでなく、AIに敏感な経営者たちとの雑談で耳にしたリアルなケースを交えながら掘っていきます。
三つの世代、それぞれの “AIとの付き合い方”
いまの10~20代――AI と一緒に遊び倒そう
20歳そこそこの方々(自分の息子世代!!!)と話すたび、「検索窓が生まれたときからあった世代」の頼もしさに驚きます。彼らは GPT へ朝飯前のように質問を投げ、1分後には答えを握って次の行動に移る――しかも、深く掘るか浅く流すかを自分で決める胆力もある。
だからこそ、ちょっと伝えたい。好奇心が鈍ると AI も鈍る。 現場に足を運び、土の匂いを嗅ぎ、胸ポケットが疑問符でパンパンになるまで観察する。その疑問を AI に叩きつけ、返ってきた答えをまた現場に持っていく――この往復運動こそが、履歴書より雄弁なポートフォリオになります。
のび太がドラえもんにウォンツやペインを正直に発露し、それをドラえもん(未来のAIの完成形であるAGI)が叶えてくれる。そのような感じで知的好奇心をどんどん発露し、AIに生成してもらい、また自分のものにしていく人が、今後の成果を上げる人になると思っています。
30〜40 代――“AI ミュージックの DJ” になる
自分より少し下の世代は、複数案件を抱え毎日フル回転。「AI を学ぶ時間がない」とこぼす人ほど、DJ 目線 を思い出してください。(キュキュキュ!:スクラッチ笑)
- 反復作業は AI に任せる。
- 自分はフェーダーやエフェクト(仕上げ)の所だけ触る。
- 浮いた時間で次の曲(新企画)のネタ探しをする。
たとえば見積書。下準備は GPT に一気に書かせ、私は数字の意味合いとお客さんへの響き方を整える。曲が流れているあいだに次のトラックをキューに入れる――そんな要領です。エクセルの腕は依然大切ですが、「自分で全部打つ」より 「AI に打たせて全体をどうミックスするか」 が十年後の強みになります。
50代半ば以降――経験を “デジタルで残し、失敗談ごとシェアする”
50代半ば、自分を含む世代は「AI が若手の武器になる」のを横目に、30年以上かけて身に付いた勘所をどう扱うか悩みます。自分はひとり株式会社を続けてきた中で、顧客との距離感や断り方、いろんなことで失敗したエピソードのほうが多い。でも、その失敗ログこそ次の世代の参考になる――いまはそう考えています。
1. 言語化とデジタル化(成功も失敗もセットで)
- 「値引きを連呼されてパニックになった商談」「断り切れず徹夜した案件」――そんな赤裸々メモを AI に整理させる。
- 節目の打音や素材の湿り気と同じように、感情の揺れ幅もデータに残す と、後で自分が振り返るときにも役立つ。
2. “逆メンタリング” ではなく “相互壁打ち”
若手に最新プラグインを聞くかわりに、自分は「こうやってコケたよ」と笑い話を提供するスタンス。
教える/教わるより、双方で壁打ちして一緒にアップデートする イメージがしっくりきます。
3. 3〜6か月ごとのアップデート+セルフレビュー
生成 AI に自分の失敗談を要約させ、「次はどう対処する?」とプロンプトを投げる。
半期ごとに“未来の自分”とミーティング と決めておくと、独り仕事でも視野が縮みません。(できてないのでやります)
そして健康。週末ジョグで汗を流し、AI と壁打ちし、たまに気心知れた仲間とリアルな会合や飲み――体・頭・気持ち の三点を回すのがアップデート疲れを防ぐコツです。
全世代に共通して言える 3 つのこと
1. 知識の“賞味期限”が短い
若手は週イチ、働き盛りは月イチ、ベテランも季節ごと(3〜6 か月)でアップデート。いつでも「今日から新人」の心持ちで。
2. リアルとデジタルを行ったり来たり
AI で設計→現場で試す→結果を AI に戻す――この往復が付加価値を生む。
3. 最後は人間関係
仕事が細切れになっても、「あの人に頼めば安心」 という信頼は分割できません。ネットワークの太さはやっぱり強い。
AI が静かに仕事の地面を動かすいま、若い世代のスピード、真ん中世代のミキシング力、ベテランの経験――どれも欠かせないピース。次の波に備えて、それぞれのスタイルを磨いていきましょう。
企業の舵取りとロータリークラブのこれから ―― “Gentle” に、でも確実に前へ
会社経営は“AI スプリント”でこまめに方向修正
サム・アルトマンが強調する「漸進的な実装」は、社長業にもぴったりはまります。五カ年計画を一枚モードで作るより、3か月サイクルの“AI スプリント”を回す方が、いまのスピード感には合っている。
具体的には、まず社内の小さな仕事を一つ選び、生成 AI を試験投入。たとえば「問い合わせメールの一次返信を GPT に書かせ、人は最終チェックだけ」。数字で効果を測り、ダメなら別のタスクに替える。うまく行ったら、3倍の規模で再実験。この“試して測って拡げる”リズムを刻むと、ひとり会社でも大手でも、そこの器に合わせた AI 化が進みます。
注意点は二つだけ。データの扱い方と社員・協力者のアップスキル。前者は「何を外部 AI に投げ、何を社内に留めるか」を線引きすること。後者は、学習コストを会社が肩代わりする覚悟を持つこと――「勉強は自己啓発」ではなく「職務の一部」として、月 1〜2 時間でも学びの時間を公式に確保すると、吸収率は段違いです。
“Purpose(何のため?)”がブランドの空洞化を防ぐ
生成 AI は、ほとんどの製品やサービスを短期間でコモディティ(差がつきにくい状態)に押し込む力を持ちます。だからこそ、「われわれは何のために存在するのか」という Purpose(パーパス) が看板の代わりになる。
たとえば同じ翻訳チャットボットでも、「観光客の質問に日本語で答える便利ツール」なのか、「多言語が苦手な地元商店主の不安を和らげる無償インフラ」なのかで、使われ方も評価も変わる。AI を入れてコストが下がった分を、パーパス実現に振り向ける そこにブランドの厚みが宿ります。
IT 推進委員長として考えるロータリーの“次の一手”
こんなのどうかなという一個人のアイデアベースの話なので、いろいろと実現は難しいと思います。できるクラブがいればやっていただけると嬉しいです。
● “AI 軽トラ”で小回り奉仕
大がかりなハッカソンを企てるより、「AI の小ネタ」を例会の後に 10 分だけ共有するほうが、実は浸透が早い。Notion 自動議事録、動画字幕起こし、翻訳チャットボット――みんなで軽トラを転がすように、気軽に道具を乗せ替えながら試走するイメージです。
● 地域課題を“AI プロト”でカタチにする
空き家問題、観光案内、農作業の需要予測――どれも壮大に聞こえますが、まずは 1 か月で動くプロトタイプを作ると景色が変わる。ChatGPT ベースの LINE ボットでも、画像生成で作ったチラシでも「動くもの」があれば、行政や学校が興味を示してくれる確率が一気に上がります。
● 世代をつなぐ “壁打ちホットライン”
例会で若手が「このプラグイン面白いですよ」と 5 分デモし、ベテランが「昔似た話で失敗したぞ」と即フィードバックする――そんな双方向の壁打ちを、Slack や Discord の専用チャンネルに常設。(でもベテラン勢のこと考えるとFacebookメッセンジャーが現実的かな)成功も失敗もリアルタイムで流れるので、クラブ全体の学習速度が底上げされます。
浅いロータリアンだからこそ言える“これから”
僕はまだロータリー歴こそ長くありません。でも、新参者だからこそ見える景色があります。それは “奉仕” と “学び” が切り離せない時代が来ている、ということ。
AI を知るほど「自分一人では到底届かない領域」が広がります。同時に、AI が下支えしてくれるおかげで「ほんの少しの手間で誰かを助けられる場面」も増える。これはまさに、ロータリーの理念 Service Above Self(超我の奉仕) を日常業務にブレンドする好機です。
たとえば、会員企業が持つ営業データを匿名加工し、学生ボランティアが GPT と一緒に地域分析する。成果は行政へ無償提供し、企業は「社会貢献で培ったデータガバナンス」を信頼の証として取引先に示す――こんな循環が生まれたら面白い。強い理想論ではなく、“Gentle” だけど確かに前へ進むやり方を探りたいと思います。
AI が静かにギアを上げるなか、会社もロータリーも 「小さく試し、すぐ学び、少し誇れる成果を積む」――これに尽きます。次項では、そんな循環を回す 具体的なツールやリソース をまとめてご紹介します。
“小さく使い、すぐ効かせる”ための最短ツールセット
AI を導入するとき、まず悩むのは「結局どのツールを触ればいいの?」という一点に尽きます。私がひとり会社を回し、ロータリー仲間にも薦めてきた経験から言えば、主役はせいぜい1〜2本。そこに “補欠” を三つ並べるだけで、想像以上に業務が軽くなります。
1 主軸となるチャットエンジンは1本か2本で充分
もし社内で Google Workspace を日常的に回しているなら、まずは Gemini を叩いてみてください。メール下書きや議事録の要点抽出は、すでに Gmail やドキュメントの横にボタンが現れているはずです。クリックひとつで「あ、使えそう」と思えたら、そのままメインに据えて問題ありません。
一方、Google サービスが社内の血流になっていない場合は、迷わず ChatGPT を1本目に選びます。質問例もネットに無数に転がっていますし、日本語も英語も破綻しにくい。Gemini と二刀流にすると「どちらが深く掘るか」を見比べる楽しみがありますが、学習コストを抑えたいならどちらか1本でスタートが正解です。
2 “+3 ” の補欠ツールで資料づくりを一気に時短
NotebookLM
長い PDF や社内マニュアルを放り込むと、Q&A リストと要約が数分で出てきます。最近は音声要約まで付いたので、自分は通勤の車中で耳だけで内容を把握しています。
Canva AI
デザインテンプレが豊富で、チラシやスライドの骨格をほんの数クリックで生成。AI 画像や配色アシストも付くので、デザイナーがいない小規模チームこそ威力を実感できます。
Genspark(または Felo)
チャットで文献リサーチをかけ、そのまま「スライドにまとめて」と頼めば、自動でタイトル・見出し付きの資料が出来上がり。Gensparkは特に「2025年のAIエージェント元年」を体現できるマルチな存在です。リサーチからリストなどを作ったり、ダウンロードのデータを集めたり、電話代行できたり、写真や動画が作れたり、他のサービスと連携して自動でいろいろできたり、専用のブラウザまで作りました。
ここまでが “最短セット”。これ以上ツールを増やすと、覚える側と教える側の双方がすり減ります。(汗)専門家でない限り、この3つで十分です。
安全と継続のための3ルール
- 社外秘データはそのまま貼らない。どうしても必要なときは社名・個人名を伏せる。
- 設定はちゃんとチェックを。一応生成AI設定画面での内容を「学習しない」というところにチェックを忘れずに。
- 週15分、“AI で遊ぶ”時間を公式に確保。カレンダーにブロックを作り、みんなでワイワイ触ると定着率が段違いです。
“季節ごとに棚卸し”で最新を追いかけすぎない
自分のような専門家は別ですが、一般の方であれば3〜6か月に一度、ChatGPT に「Gemini の最近の更新ポイントを200字で」と尋ねて要点だけ掴みます。必要そうなら10分触って判断し、ピンと来なければスルー。家電の買い替えと同じ感覚でいれば、アップデート疲れとは無縁です。
結局、ツールは 道具箱のドライバーのようなもの。握る本数よりも、「すき間にサッと差し込めるか」が成果を左右します。主役一本、補欠三本――まずはこのシンプルな布陣で、明日の仕事を10分だけ軽くしてみましょう。
Gentle Rotary――“優しく、でも確実に進む”ための明日からの一歩
私たち2720 Japan O.K. ロータリーEクラブは例会がオンラインで読めるもので、公開から1週間以内にコメントすると「出席」扱いとなります。事情が違いますが、例えばリアルクラブであれば、例会が終わり、片付けがひと段落した頃――テーブルにはまだ湯気の残るコーヒーと議事録の紙束。ここからが出番です。AI を「次回までの宿題」にしないために、まず その場で 10 分。ChatGPT でも Gemini でも構いません。「今日の卓話を 200 字でまとめて」「次の例会タイトルを3案」と打ち込む。返ってきた答えを笑いながら読みあう――これが 小さく試す の第一歩です。
翌週には、その “10 分 AI” の成果を 共有ハブ(Google ドライブ/Notion) に放り込みます。フォルダは「成功例」「失敗談」「質問箱」の三つだけ。リンクが増えたら、上の世代には Facebook グループで「新着だよ」と知らせ、若い世代には LINE オープンチャットで同じリンクをリレー。週末にはハブの新着を自動でメール配信――こうして情報が 季節風のようにクラブ内を循環 します。これが すぐ学ぶ の仕組みです。
ここで思い出したいのが、noteのCTO 深津貴之さんが言う 「物理で殴れ」 という視点です。AI がいくらデジタルを量産しても、木を植え、器を挽き、誰かの肩を直接たたく という身体的な営みは代行できません。だから私たちは、AI で生まれたアイデアを必ず現場へ持ち込み、匂いと手ざわりで検証する――この往復運動を徹底します。AI が提案したチラシは実際に印刷して街に貼り、GPT が作った議題はリアルな声の温度で磨く。デジタルの速さとフィジカルの確かさ、両方を抱えるのが Gentle Rotary の流儀です。
試す→学ぶ→また試す――ループが回り出すと、「次は何をやろう?」が自然に聞こえてきます。NotebookLM で長い資料を音声要約しながら通勤する人、Canva AI でチラシの下絵を 5 分で作る人、Genspark で海外向けスライドを自動生成する人。それぞれの小さな実験がハブに集まり、次の誰かのヒントになる。
若い世代は疑問符を AI にぶつけるエンジン役。働き盛りはタスクを DJ のようにミックスして成果を整えるミキサー役。ベテランは成功も失敗も包み隠さずデジタルに残す灯台役。三つが噛み合えば、ロータリーの”自己(我)を超えて人びとのために尽くす”という「Service Above Self/超我の奉仕」は“AI Above Fear(恐れより好奇心)”へと姿を変え、これまでより遠くへ届きます。
さあ、次回例会後は 10 分 AI ラボ。ノート PC でもスマホでも、手元の端末をテーブルに並べ、まずは最初のプロンプトを一緒に打ってみましょう。デジタルで飛び立ち、物理で着地する――深津さん流の「物理で殴れ」を忘れずに。
Gentle Rotary はここから始まります。