第35回例会【通算第90回】(2019年4月8日開会)
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2720 Japan O.K. ロータリーEクラブではFAXでも受け付けております。
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下記の「今週の設問」にご回答ください。回答方法は次のとおりです。
1つまたは複数の設問に対してご回答ください。
すべての設問に対して回答する必要はありません。
開会点鐘・歌の斉唱
会長の時間:長所と短所は表裏一体
「日本人らしさ」と聞いて、みなさんはどのような言葉を思い浮かべますか?
真面目である・約束事や規律を重んじる・イエス/ノーをはっきり言わない・礼儀正しい・伝統を大切にする・義理人情に厚い・勤勉である・個より組織を優先する・謙虚である
このような事を思い浮かべるのではないでしょうか?
なぜ、私がこのような事を申し上げるかと言いますと、私にはバングラデッシュ人の友人がいまして、彼と先日話している時このような話がでました。
「私たちバングラデッシュ人は子供のころから日本人のようにがんばりなさい!と教育されます。」
これは、バングラデッシュでは日本人は勤勉家で礼儀正しく、嘘をついたり盗みをはたらいたりしない国民性だと信じられているからだそうです。嬉しいと思う反面、背筋が伸びるような凜とした気分になりました。
確かに、東日本大震災で人を思いやる余裕なんてないはずの状態で配給にきちんと並ぶ日本人の秩序を守る姿を世界が絶賛しまた。また、サッカーW杯ロシア大会で、試合後に日本のサポーターが会場のゴミ拾いをして帰ったことが世界を驚かせ、他国のサポーターも真似て試合後にゴミ拾いをして帰るという現象を巻き起こしました。
このように、日本人は世界の中でも類を見ないほど秩序と礼儀を大事にする国民性のようです。そして、彼が言うには、日本では携帯をバスの中に忘れても必ず帰ってくるし、家族が夜遅くに外出しても心配する事はない。バングラデッシュも最近は治安が良くなってきたが、まだまだ日本のようにはない。
でも、最近は製造業においては日本の5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動を取り入れるところも増えて、品質が上げってきているそうです。そのおかげか、アパレル関連の輸出額は中国に次いで第2位で、彼が言うには世界一になるのは時間の問題だそうです。
このように日本人の生真面目な気質は、世界に通用するものだと感じました。ただ、長所と短所は常に表裏一体なので、この生真面目さが完璧なものでなければ世の中へリリースしない慎重な姿勢に繋がり、車の自動運転技術などのIOT化においては遅れ気味な気がします。
そう考えると、長所を伸ばすのか、短所を補うのか、非常に悩ましいところですね。ロータリークラブにおいても、今まで培ってきた歴史のおかげで今のロータリークラブがあり、それを守っていかないといけないと思います。また、そうする事でロータリーらしさというものが醸成されるのだと思います。
でも、現代のように色々な「もの」「こと」が激しく変化している時代においては、我々のような例会形態(インターネット例会)も今後スタンダードになっていくのかもしれません。そして、逆に会うことの大切さや、手間暇を掛ける行動がこれまで以上に重要だと考えられる時代になっていくのではないかと思います。
最後になりますが、私の友人のように日本人を尊敬している外国人はたくさんいます。私たちも、日本人としての誇りをもって、今一度日本人らしさについて考えてみるのもよいかもしれませんね。私は、約20年前にアメリカの大学へ通っていましたが、その時つくづく日本人の信用度の高さや、日本の教育の高さを感じました。でも、自己主張できない弱さも感じました。やはり、長所と短所は表裏一体ですね。
出席報告
例会 第34回【通算第89回】 2019年4月1日正午~4月8日正午(出席数・出席率 4月8日正午)
会 員 数 |
出 席 義 務 者 |
出 席 数 |
出 席 率 |
補 填 数 |
修正 出席率 |
61 | 61 | 51 | 83.61% | 0 | 83.61% |
例会 第33回【通算第88回】 2019年3月25日正午~4月1日正午(出席数・出席率 4月8日正午)
会 員 数 |
出 席 義 務 者 |
出 席 数 |
出 席 率 |
補 填 数 |
修正 出席率 |
61 | 61 | 50 | 81.97% | 0 | 81.97% |
例会 第32回【通算第87回】 2019年3月18日正午~3月25日正午(出席数・出席率 4月1日正午)
会 員 数 |
出 席 義 務 者 |
出 席 数 |
出 席 率 |
補 填 数 |
修正 出席率 |
61 | 60 | 49 | 81.67% | 2 | 85.00% |
幹事報告
(1)報告
(2)来信紹介
(3)各種行事のご案内
(1)幹事報告
1.国際交流デイ広報活動の協力願い
いよいよ本番が近づいてまいりました。フェイスブックでの拡散や、チラシを植山朋代実行委員長へ預けておりますので、どうぞ宣伝の協力をお願いします。
https://www.facebook.com/events/411283286349480/
特にこのページを拡散願います。
(1)チラシ5000部を作成し、大分市小中学校へ配布済
(2)コンパルホールなど、各種施設へ配布中
(3)フェイスブックでの拡散 広報用のイベントページです。(拡散願)
https://www.facebook.com/events/411283286349480/
特にお子様にとって、世界を感じる良い機会と思います。
沢山の学生さん達とも触れ合いながら、ポリオ撲滅や世界の料理を楽しめる機会です。入場は無料で事前申し込みも不要です。どうぞご来場ください。
国際交流デイ 4月28日(日)大分市コンパルホール
今回のイベントは、当クラブの主催事業となります。全員に参画参加をお願いしたいと思います。なお、本行事につきましては、全員登録とさせて頂くように理事会にて決議されました。どうぞご協力頂けるようにお願い致します。
会員のみな様、出欠をこちらからお願いします。
https://www.facebook.com/events/399227617529367/
【フェイスブックページ(会員専用ページで会員外は見れません。)】
会員以外への告知用ページはこちら
https://www.facebook.com/events/411283286349480/
再掲載
3.会費納入について、1月末までにお願いしておりました会費納入が一部会員で未納となっております。至急お振込みもしくは事務局まで確認連絡をお願い致します。
(2)来信紹介
<来信紹介>
1.ロータリー家族清掃活動 登録用紙
2.地区ブライダル活動終了
3.新会員のアプローチもしくは3年未満会員勉強用
4.絆inモンゴルのお誘い
5.RAC研修会 案内 本登録用紙
6.地区研修・協議会の各部会からの連絡
職業奉仕委員会情報の入手方法
ポールハリスと職業奉仕地区研修協議会
部門別協議会プログラム
奉仕委員長へのお願い
職業奉仕委員長へのお願い
7.宇佐八幡RC、日田RC、熊本RCより、各周年記念式典参加の御礼(記念誌等)
(3)各種行事のご案内
◆
日付:04月 20日(土)09:20 ~ 16:45(受付開始09:10)
場所:ホルトホール大分302・303
内容:RLIパート1 参加申込
懇親会:レンブラントホテル大分18:30〜20:30
2018〜19年度 RLIパートI
登録者:片山 前田(雅) 各会員
◆
日付:04月28日(日)
内容:第7回全国インターアクト研究会 福岡国際会議場
案内 プログラム 連絡先一覧 登録 会場
登録者: 安部会員 薬真寺会員 赤木さん(IAC会長)
◆
日時:05月11日(土)16:00(受付開始15:00)
場所:ホテルサンバリーアネックス
内容:別府東RC創立40周年記念式典
登録者:片山 尾林 各会員
◆
日付:05月12日(日)11:30~14:30(プログラム案は別紙添付)
場所:ホルトホール大分201
内容:会長ノミニー研修会 案内 プログラム
登録者:前田雅史会長ノミニー
◆
日時:05月18日(土)16:00(受付開始15:00)
場所:八代ホワイトパレス
内容:八代東RC創立30周年記念式典
◆
日付:05月25日(土)12時登録開始
内容:杵築RC創立50周年記念式典 表 裏
場所:住吉浜リゾートパーク
登録者:早水 片山 植山 尾林 各会員
◆
日付:06月02日
内容:ハンブルグ国際大会
表紙 案内 参加申込書 登録申込書式 登録申込書式サンプル 行程A 行程B 行程C
登録者:尾林会員
◆
日付:06月05日(水)18時30分
場所 : 壷中の天地 大分市府内町
内容:次年度会長幹事会案内
◆
日付:06月23日(日)11時00分(登録受付 10時30分)
内容:ジャパンカレントロータリーEクラブ創立5周年記念式典
場所:メインホテル
登録希望者:宮迫 片山 早水 植山 前田(雅)中川 各会員
幹事 佐藤知博
<サポーターの地区別・クラブ別人数>
【お礼】
2019年4月7日現在、総数73名のクラブ外ロータリアンの皆様に「サポーター」となっていただきました。
心より感謝申し上げます。
【サポーター制度について】
当クラブにはサポーター制度があり、サポーターを随時募集中です。
サポーターの会費は年間(6月末までの年度毎)¥10,000(税込み)で、サポーターの方にはメークアップ証明書を無料で発行致します。
会員各位におかれましては、お知り合いのロータリアンに制度をご案内いただき、おひとりでも多くの方にサポーターとなっていただき、当クラブ運営に参画いただければと存じます。
【サポーター数】
(2019年4月7日現在)合計 73名
他地区計(6名)
地区 | クラブ名 | 人数 |
---|---|---|
3350 | バンコク スリウォン | 1 |
2580 | 東京御苑 | 1 |
2750 | 東京世田谷 | 1 |
2740 | 佐賀 | 1 |
2740 | 唐津中央 | 1 |
2700 | 福岡東 | 1 |
2720地区計(67名)
地区 | クラブ名 | 人数 |
---|---|---|
2720 | 熊本菊南 | 1 |
2720 | 熊本 | 2 |
2720 | 熊本東 | 4 |
2720 | 熊本城東 | 5 |
2720 | 熊本江南 | 1 |
2720 | 熊本西南 | 1 |
2720 | 熊本西 | 1 |
2720 | 熊本中央 | 1 |
2720 | 熊本西稜 | 1 |
2720 | 人吉 | 1 |
2720 | 中津 | 10 |
2720 | 日田 | 1 |
2720 | 宇佐2001 | 3 |
2720 | 大分 | 1 |
2720 | 大分臨海 | 8 |
2720 | 大分南 | 4 |
2720 | 大分中央 | 7 |
2720 | 大分1985 | 7 |
2720 | 大分城西 | 1 |
2720 | 大分キャピタル | 4 |
2720 | 竹田 | 1 |
2720 | 津久見 | 2 |
理事会報告
1.国際交流デイについて、全員登録とし登録料は1,000円とする。
当クラブの主催事業であり全員が参画をしてほしいので、協力を呼びかけたい。
→承認
委員会報告
今週はございません。
※ 出席率100%会員 ※
2019年3月で 1年になります「出席率100%会員」につき 会員専用サイトにてご確認ください。
(4月のお祝いページにて掲載しています)
https://ok2720eclub.jp/member/
今週のスマイルボックス
♡ 河野 憲嗣 会員 3口
SNSの怖さを学ぶ機会をいただいたことにスマイル3口いたします!
♡ 安部 道弘 会員 1口
過去最悪の花粉症症状に苦しみました。
花粉症で目も鼻も喉も痛めつけられ、結局「風邪」をひいて熱を出す。そのまま気管支炎になる 悪いことに喘息を併発してしまう 呼吸が苦しいのに、頭まで痛くなったと思ったら副鼻腔炎になっていた。出張で飛行機に乗ったら、気圧で頭が割れそうになった 鏡を見たら目から血も出ていた・・・杉花粉のお陰でさんざんな3月でしたが、綺麗な桜の花と共に回復!元気なっています。
さあ!酒飲みましょう。
♡ 松田 周作 会員 3口
この秋、大分市美術館で開催される磯崎新展のお手伝いをさせて頂いております。
磯崎新氏のプリツカー賞受賞への御祝の気持ちを込めて スマイル3口いたします!!
ゲスト卓話:介護の仕事のすばらしさ
田中 努 氏
(特定非営利活動法人 虹の翼 理事長)
皆さん、こんにちは。
私は、大分県佐伯市という所で障がい者や障がい児に関わる仕事をしている田中努と言います。
具体的にはNPO法人で障がい福祉サービス、もう少し詳しく言うと放課後等児童デイサービス、地域活動支援センター、特定相談支援事業所、訪問介護事業所を行なっています。そして大分県介護福祉士会で会長、大分県ボッチャ協会で副会長、NPO法人スペシャルオリンピックス日本・大分で佐伯スイミングのチーフコーチもさせて頂いています。
全てが福祉と関係のあることばかりではありますが楽しく毎日を過ごしています。今回は2720 Japan O.K. ロータリーE クラブ様から卓話の依頼を頂きありがとうございます。
今回は皆様に介護のすばらしさと言うことでお話しさせていただこうと考えていますが、障がい者支援の観点から4点ほどお話したいと思います。
福祉を始めるきっかけ
まず1点目は私が福祉を始めるきっかけです。
実は、私は福祉の仕事に全く興味がありませんでした。自分には向いていないと思っていましたし、そもそも人と関わるのは苦手でした。機械を触ることが好きだったため、高校卒業後は車の整備士を目指していました。
しかし、卒業式の次の日に交通事故を起こし脊髄を損傷して長期入院をしてしまいました。もちろん進学も出来ず、就職は身体への負担の少ない事務職と言われ営業の仕事へ就きました。その後十数年間営業の仕事を続けましたが、景気の低下に伴い仕事にノルマがかかり売り上げ優先の仕事をしていく中で、人と関わることが怖くなり仕事を辞めて引きこもってしまいました。なぜ引きこもるまでに至ったか言うと当時建築の営業をしていました。
例えば、雨漏りの仕事を受けて修理をするのですが、実際にはシミの出来ている天井や壁を張り替え、雨漏り自体の修理はしていませんでした。それは会社の方針で、雨漏りまで直してしまうと次の仕事がなくなるからだと言われました。その後は営業ができなくなってしまいました。もしどこかで仕事をもらってもまた嘘の仕事しか返せない。もし仕事をもらったらどうしよう。これが続いた結果言葉が出てこなくなり、結果的に引きこもってしまいました。
この時に姉から半ば強制的にホームヘルパー2級養成講座を受講をさせられました。気付いた時には受講申し込みをしていて講習料も支払ってくれていました。しかし今思えば自分から受講する勇気もなかったので今の自分があるのはこの時のおかげだと思います。そしてこの時初めて福祉のことを知りました。
障がい福祉との出会い
そして2点目は私が立ち直るきっかけとなった障がい福祉との出会いです。それは、私が介護について悩んでいる時のことでした。発語のない重度の知的障がいの人たちや壁や空を見ながらずっと話しかけている精神障がいの人たち、四肢に麻痺のある身体障がいの人たち、今まで生活をしてきた中で出会うことのなかった人たちとの出会いに引き込まれるように障がい福祉の世界へと入っていきました。きっと誰かに必要とされることを求めていたのかも知れないですね。
皆さんは障がい者と聞いてどう思われますか?車イスの方や白杖をしようしている視覚障がいの方のように身体障がいへの理解はかなり進んでいると思いますが精神障がいと聞いてどうでしょう?あなたの住む家の隣に精神障がいの方が暮らすグループホームができるとなると地区をあげて反対運動が今でも起きます、それは世間一般に障がい者は怖い人と思われているからだと思います。
確かに過去には辛く悲しい事件もありました。しかし障がいの理解が進み、福祉の整備と支援の充実、そして地域との連携があれば事件や事故は確実に減少していきます。私は健常者と言われる人たちとの関わりで人が怖くなり引きこもりました。しかし、何らかのハンディキャップを抱えた障がい者と言われる人たちと一緒にいることでいつも癒されている自分に気づきました。人で傷つき一度は挫折した自分が、今度は人から勇気をもらい支えられて立ち直ることができました。
福祉の仕事は与えるものではなく、与えられることもとても多い仕事です。決して一方的な関わりではありません。その後順調に福祉の仕事も進むようになり私の職場には、毎日放課後になるとハンディキャップを持った子どもたちが元気にやってきます。子どもたちはとても素直です、決してお世辞は言いません。眼鏡をかけた職員にはメガネ!と呼び、髪が薄くなりかけた職員にはハゲ!と言います。太った職員にはベイマックスと言っていました。前の日にベイマックスがテレビで放映されていた事と、その日職員が白いジャージを着ていたからだと思います。そんな子どもたちから毎日「なんで」「どうして」と沢山の質問をされます。「ああでね、こうでね」と真剣に答えてもまるで聞いていなったかのようにまた同じ質問をされます。これは決して話を聞いていなかったわけでも、理解できなかったわけでもなく、ましてや大人に意地悪をしようとしているわけでもありません。大人の答えが正しいか・正しくないかではなく、自分にとってその答えが納得のいくものであったか否かなのです。
私のところの児童デイサービスでも毎日楽しいエピソードが起きます。ある日公園でみんなと遊んでいると、サッカーボール小脇に抱えて立ちすくんいる男の子がいました。サッカーがしたいのかな?と近づくと「先生!野球をやろう!!」と元気に話しかけてくれました。サッカーボールで野球??たった2人で??と疑問はありましたが、フットベースボール的に足で蹴る野球なのかなと思い、「いいよ!」と彼からボールをもらおうとすると、いきなり「ヨーイ、ドン」と叫んでボールを放り出し駆け出して行きました。パニックです、どんなルールなのか、どうした良いのか全くわかりません。とりあえず彼を追いかけると「セーフ!」と叫び満足そうに笑っていました。彼の中での野球はなんとなくボールがあってなんか走っていたなぁという記憶だったのだと思います。きっと立ちすくんでいた時にルールの確認をしていたんでしょうね。そして子どもたちから毎日笑顔をもらいながら楽しく仕事をしています。福祉の仕事には高齢者福祉だけではなくこのような児童福祉もあります。
障がい者は困った人たちではない
そして3点目は障がい者は困った人たちではないと言うことです。私は障がい児とその家族の計画相談を作る相談支援専門員もしています。少しそのお話をさせて下さい。
ある家族に待望の赤ちゃんが授かり、家族みんなでその子に会える日をずっとずっと楽しみに待ちました。母親は体調に気をつけ、つわりとも戦い、ただ元気に生まれてくることを望んでいました。そして、ついに元気に男の子が生まれました。両親も家族もその男の子に、いつも励まされ、勇気をもらい、笑顔と優しさで包まれていました。言葉の出始める時期、会話の内容や量なども周囲を驚かせることばかりで“天才”じゃないかと思わせることばかりでした。その分、周りとくらべると少し成長の早さも感じていました。特に気になることもなく元気に成長してくれて、保育所へ通園することとなり、見学も済ませ新しい制服を着た男の子は、少しの不安と期待を胸に保育所へ出かけました。数日経った辺りから、「行きたくない」と伝えてくれましたが、周囲の大人たちの頑張らせようとする努力でパニックとなり、先生・友達との関わりが持てずに混乱を起こさせてしまいました。
その後保育所へは通わず様子を見ていましたが、今回のことはその男の子の心に大きな傷を残してしまいました。母親は自分を責め続けていました。この時、医療にも相談をして〔高機能自閉症〕と診断されました。IQは低くないので会話などからも障がいがあるようには見えません。しかし、自閉症の理解のない大人たちの対応と無理に頑張り続けた男の子にとってとてもつらい日々だったと思います。障がいという診断を受けた両親は、とてもショックだったと思います。嘘であってほしい、夢であってほしいと何度も何度も思ったはずです。代われるものなら代わりたいと願ったはずです。それは親だからです。そして、自分のせいだとまた自分を責め続けたと思います。さらに、幼稚園では同じ失敗をさせないと誰より悩み、誰より駆け回り、不安の中幼稚園に通いましたが彼の心の傷は癒えていませんでした。小学校入学に向けて普通学校に行くのか、支援学校に行くのか何度も親は悩み、その都度正解のない答えを求めて相談に駆け回り、幾度となく深い闇へ突き落される日々でした。
医療との連携していく上ではさほど問題はありませんが、福祉サービスを利用することで手帳の問題が発生します。通常、障がい児を支援していく中で必要となるのは療育手帳となります。しかし、IQが75以下でない場合、療育手帳ではなく精神障害者保健福祉手帳の発行をする自治体が多い中、親は自分の大切な子どもが自閉症ということだけでなく、精神障害者保健福祉手帳を持たされることに素直に「そうですか」とはなりません。なぜ何度も心を折られないといけないのでしょうか。しかし、幾度となく立ち上がり、子どものために自分の時間もないまま走り回り、わが子の生きづらさや思いを背負ってきた両親への共感のないまま、学校生活や福祉施設での生活が始まります。学校や施設では、「お母さん、これができません」「あいさつを練習しています」「トイレの失敗がありました」「箸を使うのが苦手です」「急に飛び出してしまいます」など出来ないことに注目されがちになり、連絡ノートに報告されます。そんなことは誰より親が一番知っています。親が知りたいのは、今日一日の中でどんな笑顔があったのか、そしてどんなことに夢中になったのかなのです。問題や失敗があって構わない、それを先生方がどう支援したのかが知りたいのです。
先生と呼ばれる人たちはそんなに偉い人なのでしょうか。私たちも福祉の中では家族から“先生”と呼ばれることがあります。私たちは自分の発する言葉の重みを理解しなければいけないのです。子どもたちとコミュニケーションを図る上で何より必要なのは、本人や家族との信頼関係です。親の気持ちを受け入れていないのに私たちの気持ちを受け入れてもらえるでしょうか。親は時として、真剣な(熱心)先生と出会うほどつらい気持ちになることがあります。子どもたちの将来を見据えて出来ないことに熱心に取り組むことで改善をしようとするからです。先生も悪気はありません、ただひたすらに熱心なだけです。しかし、出来ないことが出来るようになるなら福祉サービスは利用していません。好きなこと(得意なこと)に着目してより好きに(得意)なることで苦手なことへの底上げを図ることが大切だと思います。私たちが支援を行う上で、本人の障がいを知ること、その特性を理解することはとても大切なことです。
しかし、それだけではありません。誰より本人のことを理解している家族との信頼関係が必要なのです。本人のことだけではなく、親の背負ってきた大きな思いを少し分けてもらう努力と、共に歩いて行く姿勢が今後の支援を変えていくポイントとなります。私は、子どもたちと一緒に、その個性を楽しみながら次のステージへと繋いでいくことこそ支援だと思っています。
私はこの男の子を困った子だと思っていません。彼の持つ視点や洞察力、感じ方にはいつもドキッとさせられます。自分の好きなことへの集中力や吸収力にも関心させられます。私たちの関わり方で個性をどう伸ばしていけるのかとても楽しみです。やはり彼は天才だったと彼自身が証明する日がきっと来ると思います。障がいは、その人の才能だと私は思います。さて、お話しを戻しますが、福祉の仕事は支援をルーティーンとして行うのでは決してありません。そこに専門性は存在しません。私たちは福祉のプロフェッショナルです。その専門性を活かし、直接的な支援と環境整備などの間接的な支援の両面から支えていけるスキルを身につけていきたいです。また、それが出来るのも私たち専門職だと思います。
スペシャルオリンピックスでの活動での嬉しかったこと
最後に4点目はスペシャルオリンピックスでの活動での嬉しかったことをお話ししたいと思います。スペシャルオリンピックスは、知的障がいのある人たちに継続的なスポーツトレーニングとその発表の場である競技会の提供を使命とし、活動を通して彼らの自立と社会参加を促進し、生活の質を豊かにすることを目的とする活動です。オリンピック、パラリンピック同様、4年に一度夏季、冬季の世界大会が開催されます。日本でも世界大会への予選会を兼ねて全国大会を行っています。今年開催された世界大会(アブダビ)の予選を兼ねて昨年全国大会愛知大会が開催され大分県選手団の副団長として愛知大会に参加しました。知的障がいのある方はとても優しく、人が大好きな方が多いです。私が普段指導をしているアスリートたちも練習では良い成績を残すのに本番になると観客席からの応援に応えて手を振ってしまったり笑顔で応えようとゆっくり顔を見せてくれたりするため結果が伴わない時が多々あります。
また初めての環境にも適応するのに時間がかかります。そういった中で今回の全国大会では競泳に出場した大分のアスリートが予選で自己新を出し、翌日の決勝戦では見事1位を取ることができました。もちろん彼の頑張りがあったからに違いはありませんが、実はその裏には彼をサポートしたコーチの存在が大きかったと感じています。2泊3日の行動を寝起きからずっと行動を共にし、彼の不安や緊張を上手く彼の力に変えていけたと思います。大会会場でも本人と一緒に他県のアスリートへ前日にコーチと一緒に夜なべして作った手作りの名刺を配って回り、数十人の友達づくりをしてとても満足そうでした。今回の大会を全国のアスリートの中で1番楽しめていたように見えました。競技だけでなく全ての結果が今回の彼の成績だったのではないでしょうか。その瞬間を見れたこと、その場面を応援できたことは私にとってかけがえのない経験となりました。
改めて最後にもう1度お伝えさせて下さい。障がい者(児)は困った人たちではありません。ぜひ機会があれば興味を持って障がいに関わってみて下さい。きっと彼らの優しさを実感することができると思います。今回はこのような機会をいただきとても感謝しています。本当にありがとうございました。
閉会点鐘
メークアップ
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