今週の例会



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開会点鐘・歌の斉唱





会長の時間:国際奉仕の概念導入


初期ロータリーで、最初に国際奉仕に類する活動が行われたのは、1914年、第一次世界 大戦の頃からといわれ、アメリカからヨーロッパに出兵したロータリアンの子弟を、イギリスのロータリアン家庭がホストしたり、アメリカ、イギリス、アイルランド、カナダのクラブによって、ヨーロッパ各地で避難民への物資補給や、傷病兵の慰問、終戦で復員してくる軍人に対するボランティア活動 などが行われました。

1917年、第26代大統領ルーズベルトは、アーチ・クランフArch Klumpfロータリー連合会会長に次のようなメッセージを寄せています。


私は政治上の堅い約束や同盟を信じていない。むしろ、RIのような 団体が持っている理念の方を信じる。国と国との利害があい反し、意見が食い違った時には、いかなる同盟や条約があっても、友好的な関係を保つことはできない。お互いの国民が理解と共感を持ってさえいれば、両国政府間の同盟など不必要である。RIを組織するような人々の交流は、確実に相互理解を深めるに違いない

いかがでしょう。昨今は自国の利益第一優先の取組が幅を利かせており、少なからず殺伐とした国際関係が目立つようになっていますが、本質的には上記の通り「互いの国民が理解と共感を持って」ことに当たることこそが最重要といえるのはないでしょうか?

ルーズベルトがメッセージを寄せたアーチ・フランフの提唱により、メッセージを受け取った1917年に、国際理解と親善を目的としたロータリー財団の前身である[アーチ・クランフ基金]が創設されました。画期的なことでしたが、基金の設立が余りにも唐突であったことと、その趣旨が理解されなかったために思ったように募金が集まらず、本格的なロータリー財団の活動は、ポール・ハリス没後の1937年まで持ち越されます。

初期のロータリー運動が著しい勢いで発展し、またたく間に全世界に広まっていった背景には、全ての会員を平等に扱い、会員に差別感を抱かさなかったことがあげられます。会員の社会上の地位は勿論のこと、民族や国籍や宗教の差を超越して、ロータリアン相互の深い親睦と友情の関係を作り上げることに重点がおかれました。


Courtesy of Rotary International


宗教戦争の経験も少なく、単一民族、単一国家を自認している日本では浮かんでこない発想かも知れませんが、多くの移民を抱え、人種と宗教の坩堝であるアメリカや、多種多様な民族が入り交って多彩な生活様式を営んでいるヨーロッパにおいて、仮に、政治や宗教をロータリーの中に持ち込んだり、その問題を議論したとしたら、ロータリ ーで育んだ友情もたちどころに消え去ったことでしょう。

宗教と政治に関する問題は、友情を損ねる恐れがあるから議論しないという伝統は、今に至るまで引き継がれ、更に、政治や宗教以外の問題でも、口角泡を飛ばして議論し、事の黒白をつけること自体が親睦を阻害するという理由から、それを避けようという考え方が根強く残っています。

1922年、「国際ロータリークラブ連合会」は現在の「国際ロータリー」に名称変更され、同時にロータリーの綱領と定款が抜本的に改正され、初めて正式に「国際奉仕」の概念がロータリーの綱領第6条に加えられました。

ロータリーの「国際奉仕」の基幹となる思想は、国家、思想、宗教などの要素が複雑に絡み合う状態を、友情に裏打ちされた相互理解によって一つのものにして、恒久の世界平和を目指そうとするところにあります。

世界の恒久的平和を願うロータリーの国際奉仕の理念も、有事のときには、その運動の限界を認めざるを得ないという矛盾をはらんでいます。緊張が高まりつつあるときこそロータリーの理想である「奉仕の理想に結ばれた、事業と専門職務に携わる人の世界的親交によって国際間の理解と親善と平和の推進」を目指して努力することで、紛争を防止する抑止力として、大きな成果を収められることを願ってやみません。

次回は「ロータリー財団」についてお話します。

ロータリーを 学び 好きになり 楽しもうではありませんか!

会長の時間を終わります。

2720JapanO.K.ロータリーEクラブ
会長 早水琢也


出席報告


例会 第9回【通算第108回】 2019年9月9日正午~9月16日正午(出席数・出席率 9月16日正午)


会員数 出席義務者 出席数 出席率
58 58 56 96.55%

例会 第8回【通算第107回】 2019年9月2日正午~9月9日正午(出席数・出席率 9月9日正午)


会員数 出席義務者 出席数 出席率
58 58 54 93.10%

幹事報告


幹事報告
(1)来信紹介
(2)各種行事のご案内
(3)理事会報告
 * 委員会報告


《来信紹介》


《日田中央ローターアクトクラブ 10 月第 1例会および 35 周年記念事業の件》
 日田中央RAC35周年記念事業等本登録のご案内
 第35回年次大会本登録のご案内


《第33回大分グループ留学生交流会の件》
 第33回大分グループ留学生交流会案内文

《ハイライト米山より》
 米山奨学会よりマンスリーニュース「2019年9月13日発行 第234回ハイライトよねやま」が届いています。
 highlight234_pdf

《カウンセラー・奨学生報告会開催のご案内》
 2019カウンセラー報告会案内

《2019~2020年度 地区会員増強部門・新進気鋭会員セミナーご案内》
 2019-2020 瀧ガバナー年度 新進気鋭会員セミナーご案内 R1 9 11
 熊本流通情報会館

《大分市内9RC合同親睦ゴルフ大会の件》
 第28回大分市内9RC合同親睦ゴルフ大会のご案内
 ゴルフ実施要項
 ゴルフ申込書

《国際大会のご案内》
 2019〜2020 国際大会案内
 ハワイ5日間
 ハワイ7日間
 ハワイ8日間
 ホノルル・ハワイ島8日間
 国際大会(案内ハワイ)
 参加申込書(ハワイ)


《各種行事のご案内》


《国際奉仕・ロータリー財団二部門合同セミナー》
 日 付:2019年10月5日(土) 12:30~17:00
 会 場:熊本市流通情報会館
 登録者:前田雅史会長エレクト  
 国際奉仕・ロータリー財団二部門合同セミナーのご案内  
 二部門合同セミナー0724

《社会奉仕・公共イメージ 合同セミナー》
 日 付:10月6日(日)13:00〜16:00
 場 所:ホルトホール大分
 登録者:早水 安部 中川 佐藤(弥) 各会員
 20191006_社会奉仕_公共イメージ_合同セミナーの開催のご案内
 セミナー合同開会式次第20191006-163229a0a223d69dbe6d92d9ed05c9df
 20191006セミナー社会奉仕_公共イメージ次第(案)-bc06ef6685256bdb23e94807ef23b55f

《規定審議会の報告・管理運営セミナー》
 日 時:①規定審議会報告会 10月6日(日)10:00〜12:00(受付開始9:30~)
     ②管理運営セミナー 10月6日(日)13:00〜16:30
 場 所:ホルトホール大分 3F 大会議室
 登録者:① 早水 前田(雅) 久保田 各会員
     ② 前田(雅) 久保田 各会員
 管理運営セミナーご案内 20191006
 管理運営セミナータイムスケジュール20191006-1b3c24bbd2c31c6faabcaf72e41170c7

《地区大会》
 日 付:11月8日(金)~9日(土)
 場 所:中津文化会館 及び ヴィラルーチェ中津
 登録者:早水 久保田 前田(雅)中川 安部 秋吉 花田 日隈 本田 今長
     片山 神鳥 松田 松浦 宮迫 持田 村田 尾林 佐々木 佐藤(弥)
     スチッタ 髙山 薬真寺 各会員 ロンさん (9月27日現在)
 *登録の最終締切(追加・変更等)は9月27日(金)となります。

 11月8日(金)
  ・会長・幹事・ガバナー補佐会議および地区指導者育成セミナー 
    登録者:早水会長 久保田幹事 安部地区役員 薬真寺青少年奉仕委員長

  ・会長・幹事歓迎、会員交流会 
    登録者:早水 久保田 前田(雅) 中川 安部 秋吉 日隈
        片山 松浦 宮迫 村田 尾林 スチッタ 
        薬真寺 各会員 (9月27日現在)

 11月9日(土)
  ・本会議 記念講演 【対象者…地区クラブの全会員】
   登録者:上記記載

 地区大会案内
 地区大会パンフ

《理事会報告》

《地区役員の件》
 2020−2021年度 硯川ガバナー年度の地区役員に早水会長の着任要請を受け、当クラブより推挙するかを臨時理事会にて審議した結果、承認されました事をご報告いたします。
(委嘱状)地区役員委嘱状(早水会長)

                                     幹事 久保田 努

《委員会報告》

ロータリー財団委員長の松浦委員より、9月21日(土)に大分県中津市で開催されました「国際奉仕部門・ロータリー財団部門2部門合同セミナー」の報告書が提出されています。
今回参加が叶わなかった 国際奉仕部門およびロータリー財団部門の会員の方々 ならびに全会員の方々におきましても、松浦委員長の素晴らしい報告書を是非とも熟読いただき、ロータリーの知識を高めていただければと思います。

〜松浦委員長より〜
お断り…難しい内容を、難しく書いても、さくっとスクロールされてしまうので(笑)、わたくしのあだ名のみっちゃんを使い、「みっちゃんEYES☛」という箇所を作り、簡単な感想、つたない疑問、考えをまとめています。クラブ会員も出てきます。飽きずにお読みください。皆でロータリーのこと、学んでいきましょう。

 国際奉仕部門・ロータリー財団部門2部門合同セミナーへ参加して


<サポーターの地区別・クラブ別人数>


【お礼】
2019年9月29日現在、総数46名のクラブ外ロータリアンの皆様に「サポーター」となっていただいています。
心より感謝申し上げます。

【サポーター制度について】
当クラブにはサポーター制度があり、サポーターを随時募集中です。
サポーターの会費は年間(6月末までの年度毎)¥10,000(税込み)で、サポーターの方にはメークアップ証明書を無料で発行致します。
サポーターご希望の方は、「サポーターお申し込みフォーム」ページより、お手続きをお願いいたします。

会員各位におかれましては、お知り合いのロータリアンに制度をご案内いただき、おひとりでも多くの方にサポーターとなっていただき、当クラブ運営に参画いただければと存じます。

【サポーター数】
(2019~2020年度)2019年9月29日現在  合計 46名


他地区計(2名)


地区 クラブ名 人数
2700 久留米 1
----- その他 1

2720地区計(44名)


地区 クラブ名 人数
2720 熊本
2720 熊本東
2720 熊本城東 3
2720 熊本南 1
2720 熊本西南 2
2720 熊本西稜 1
2720 中津 9
2720 日田
2720 宇佐2001
2720 別府 1
2720 大分
2720 大分臨海
2720 大分南 1
2720 大分中央
2720 大分1985
2720 大分城西
2720 津久見

※ 今月のお祝い ※


会員誕生日を紹介していますので、会員専用サイトにてご確認ください。
(10月のお祝いページにて掲載しています)
https://ok2720eclub.jp/member/


今週のスマイルボックス


♡ 松田 周作 会員   2口
9月9日(月)、昼は、映画監督・衛藤昂会員の才能に大感動!!映画監督・衛藤昂会員のファインダーから覗く世界に、益々、興味津々です♪
夜は、片山勇会員のご案内・ご紹介で、大分臨海ロータリークラブの夜例会に、メークアップしました。
リアルクラブならではの全クラブ会員同士の連帯感、
メークアップ(ビジター)の魅力を存分に楽しみました♪
片山勇会員、ありがとうございました!!
1+1=2口、スマイルいたします。

♡ 植山 朋代 会員   2口
大分キャピタルRCの20周年記念に参加し、感動しました。私たちのクラブもまずは10周年を目指して活動を充実していきたいですね。10年後への願いを込めて2口スマイルさせていただきます。

♡ 中川 宝星 会員  2口
大分キャピタルRC20周年記念親睦ゴルフコンペで二位になり、ドラコン賞もいただきました!
片山さんのおかげです。スマイルします!

♡ 衛藤 昂 会員   5口
この度、11月にカナダへ引っ越す事となりました。
9月18日にeクラブの皆さまに壮行会を開催していただきました。仕事の都合でなかなか参加できる機会が多くなかったのですが、皆さまにお会いした時はいつもeクラブのメンバーでいられる事に感謝していました。
今後も引き続きeクラブメンバーとしてできる事をやり続けたいと思っていますので宜しくお願い致します! いつもいつもサポートしてくださって本当に感謝しています。
できるだけご面倒おかけしなようにしますので今後とも宜しくお願い致します!

♡ 神鳥 絵里 会員   5口
9月18日歓迎会を開催していただき、大変恐縮でしたが嬉しかったです! とってもハッピーな夜だったので5口スマイルさせて頂きます♪

♡ 衛藤昂会員壮行会&神鳥絵里会員歓迎会 
  参加会員一同より  5口
会費の残金をスマイルさせていただきます。

♡ 尾林 邦生 会員   10口
9月25日を持ちまして、「石焼カレーの店、おじいさんの時計」を閉店致しました。
20年の間多くの皆様にご愛顧頂き又多くの我がEクラブの皆さんにもお越しいただきありがとうございました。これからは母の介護を中心に家族協力しながら生活していきます。もちろんロータリーライフも楽しんでいきますので宜しくお願い致します。
皆様に心より感謝してスマイル致します~


♡ 松田 周作 会員   3口
9月27日(金)より、大分市美術館にて、松田周作建築設計事務所として、展覧会の開催準備のお手伝いをさせて頂きました「磯崎新展(磯崎新の謎)」が、開催されます。
磯崎新氏(88)が、プリツカー賞を受賞された今年、ぜひ、大分の多くの方々、県内外、世界中の建築ファンの方々に、ご覧になって頂きたいです。
「磯崎新展(磯崎新の謎)」の盛況を願って、スマイル3口致します。



ゲスト卓話:宇佐海軍航空隊「発掘・保存・伝唱」の軌跡



藤原 耕 氏
(豊の国宇佐市塾)


今回、お話をさせていただきます豊の国宇佐市塾の藤原 耕と申します。
いつもは会社員として働いております。職業の次は学歴となりますが大学に行っておりませんので、工業高校機械科卒の軍事オタクと言っておきます。

2010年より「豊の国宇佐市塾」という地域おこし団体に所属しています。
そこで戦時中に宇佐市にあった陸軍の工場「小倉陸軍造兵廠糸口山製造所」の研究、そして仲間と共に主に米軍機が撮影したガンカメラと呼ばれる映像などを米国立公文書館より独自に入手し解析を行い、日時、場所等の特定を行っています。
2011年にはその研究の成果として「図書館を使った調べる学習コンクール」にて文部科学大臣賞を受賞いたしました。

その他の成果と併せまして、宇佐市教育委員会より「宇佐海軍航空隊等資料収集検討委員会研究員」という肩書きを頂いております。



今回お話をさせていただく内容はこのようになっています。
簡単に言いますと、豊の国宇佐市塾という市民団体が宇佐市にかつてあった「宇佐海軍航空隊」を地元の歴史として語り継げられるようにしたことと、宇佐から全国に発信できるようになっていったことを時系列で説明いたします。


「豊の国宇佐市塾」とは?



よく他県から取材に来る新聞記者に『「塾」と団体名がついているので「右翼団体」かと思いました。』と言われます。
一村一品活動として有名な平松守彦氏(当時の大分県知事)が1983年(昭和63年)に地域活性化の人財育成プロジェクトとして「豊の国づくり塾」を立ち上げました。
平松氏自ら塾長を務め、卒塾生は1800人を超えます。塾生は2年の研修ののち、県内各地の地域活動の中心となっていきました。



「豊の国宇佐市塾」は1987年(昭和62年)に「豊の国づくり塾」の卒業生が中心となり立ち上げた組織です。
当時、塾長は宇佐市市長、塾頭は平田崇英氏が務めました。
以後、現在に至るまで30年以上にわたり「宇佐細見」と称し、地元の歴史等の掘り起こし・保存・伝唱を行う団体として活動しております。



最初に取り上げた宇佐市ゆかりの人物は代表作「旅愁」で知られる小説家「横光利一」(本籍地、宇佐)でした。
「横光利一の世界Ⅰ」を1988年(昭和63年)に刊行
2冊目を15年後の2003年(平成15年)に刊行いたしました。



宇佐市ゆかりの人物として、次に取り上げましたのは「双葉山」です。
不滅の69連勝の記録を持つ昭和の名横綱です。
「双葉山の世界Ⅰ」を1989年(平成元年)に刊行いたしました。


宇佐海軍の発掘・保存・伝唱



第3弾として取り上げたものが「宇佐海軍航空隊」です。
人物ではなく、かつて宇佐にあった組織になります。負の遺産ではありますが、1990年(平成2年)当時、『今、見つめ直しておかなければ、確実に忘れ去られるだろう。そして戦争中は「広島・長崎・沖縄」だけが戦場ではなく日本全国が戦場であり「わたしの町も戦場だった」ということを実感してもらいたい』ということで取り上げたと聞いております。
しかしながら周囲からの反発も多く、多方面からの批判もあったそうです。
その中で「主義、主張を入れずに、ありのままを伝える。それを多くの人に見て頂き各自に考えてもらう」という方針を決めたそうです。



調査開始の翌年1991年(平成3年)に宇佐細見読本3冊目となる「宇佐航空隊の世界Ⅰ」を刊行いたしました。


なぜ、阿川弘之なのか?



宇佐細見読本が刊行されるたびに、刊行記念のシンポジウムを開催しております。
「宇佐航空隊」に関する記念すべき1回目のシンポジウムの講師は
 小説家の阿川弘之氏となりました。



阿川弘之氏の代表作である「雲の墓標」は宇佐海軍航空隊が舞台の一つにもなっています。そして創作の元になったのは、京都大学国文科出身で宇佐海軍航空隊の元隊員であった吉井巖(いわお)氏の日記であり、戦後復員した後に人づてに阿川弘之氏に託されたことがきっかけとなったとのことです。この日記と阿川弘之氏自身の海軍での体験を織り交ぜ描いたのが「雲の墓標」という名作になりました。創作ではありますが戦死した吉井氏の同期の特攻隊員の多くは実名で登場します。
著名な作家である阿川弘之氏を講師としてお招きするのは、発足間もない豊の国宇佐市塾では無理でしたので、平松氏(当時の大分県知事)にお願いして頂きました。



阿川弘之氏には「海軍の気風について」を演題として語っていただきました。
その中で海軍はユーモアとウイット(機転)を重視すること、海軍士官を志す者は
「アングルバーでは駄目だぞ、フレキシブルワイヤーでなくちゃいかん」と教官に言われたそうです。「鉄橋とかに使われるアングルバーは、見た目は良いが、そのもの自体は何も働きはしていない。フレキシブルワイヤーは、柔らかく頼りないが、使い様によっては如何様にも形を変え重量物を動かす大変な働きをする。要は柔軟に考え行動するのが海軍の気風だ。」と戦中戦後の逸話を交えて講演して頂きました。



「宇佐航空隊の世界Ⅰ」と刊行記念シンポジウムの反響が大きく、翌年1992年(平成4年)に宇佐細見読本4・5冊目となる宇佐航空隊の世界ⅡとⅢを同時に刊行いたしました。



同年に刊行記念シンポジウムを「宇佐航空隊の世界Ⅱ」と題しまして開催いたしました。
当時の講師はシナリオ作家の須崎勝彌氏です。
須崎氏は海軍予備学生14期で実際に宇佐海軍航空隊に所属した海軍士官です。



須崎氏の海軍予備学生14期は学徒出陣で大学在学中に兵士や士官になった組です。須崎氏の同期も特攻隊員として亡くなっていきます。当時の宇佐海軍航空隊での出来事や各隊員の人物像を語っていただきました。
同氏は、戦後に映画のシナリオ作家となり、「人間魚雷 回天」という海軍映画の脚本を書きます。その登場人物のモデルの多くは宇佐海軍航空隊での同期の戦友であり、その生きざまを投影したといわれています。
この画面では2名の特攻隊員の写真をあげていますが、左上が大石政則少尉、右下が村瀬稔少尉です。次回以降にまた卓話をする機会を頂けましたら彼らについて語る機会もあると思いますので、その時詳しく説明いたします。



豊の国宇佐市塾は、その後も宇佐海軍航空隊関連の活動を行います。その中で掩体壕と呼ばれる「飛行機の防空壕」とも言えるべきものを戦争遺跡として登録しようという機運が高まりました。
そして1995年(平成7年)3月28日に「城井1号掩体壕」が宇佐市指定史跡として登録され、のちに城井1号掩体壕史跡公園として整備され現在に至ります。



1998年(平成10年)に6年ぶりに宇佐細見読本9冊目となる宇佐航空隊の世界Ⅳを刊行いたしました。



その刊行記念シンポジウムを「宇佐航空隊の世界Ⅳ」と題しまして開催いたしました。
講師は元建設省事務次官 藤井治芳(はるほ)氏です。
藤井治芳氏の兄は宇佐海軍航空隊で編成された特攻隊「八幡護皇隊(はちまんごおうたい)」隊員の藤井真治(まはる)大尉になります。



元建設省事務次官が講師ということもあって、この講演には平松守彦氏(当時の大分県知事)が駆けつけてくださいました。
講演前に藤井大尉をはじめとする予備学生達を祭った慰霊碑に訪れました。
藤井真治大尉は予備学生10期で予備学生士官では最古参、人望の厚い人物で前述した阿川弘之氏の名著「雲の墓標」にも登場します。



2005年(平成17年)からは伝唱活動の一環として「宇佐航空隊平和ウォーク」が始まりました。これは毎年5月に開催される航空隊の戦跡をウォーキングで巡る催しで、参加者を20名ぐらいのグループに分けて、各グループごとに戦跡ガイドが1名ついて案内します。
 
写真は戦跡の一つの「生き残り門」です。空襲で連光寺は全壊しましたが、この山門だけが残りましたので「生き残り門」と呼ばれるようになりました。それでも門のいたるところに機銃弾や爆弾の破片によりできた傷を見ることができ、空襲の激しさを物語ります。



「宇佐航空隊平和ウォーク」のもう一つの特徴としまして、主な戦跡では地元の小学生が「子供ガイド」として解説します。現在、宇佐航空隊跡が校区内に入る柳ヶ浦、八幡、駅館(やっかん)、四日市北の4つの小学校が「子供ガイド」に協力してくれています。
この「子供ガイド」ですが事前に授業で宇佐航空隊のことを勉強します。そして「わたしの町も戦場だった」ことを知り、「どの様に伝えるのか?」を考えてガイドになります。
子供たちの説明には、大人は必ず耳を傾けます。その姿を5年生が見て来年は自分達の番だと自覚し、次の年の「子供ガイド」になっていきます。



これも2005年(平成17年)からですが、伝唱活動の一環として8月15日に「城井1号掩体壕」にて戦没者を追悼する「平和のともしび」が始まりました。献花、コーラス・演奏なども行います。写真を見ますと灯篭が並んでいますが、これはペットボトルを加工して中にろうそくを灯しています。そしてその外側には小学生の平和へのメッセージを書いた紙を貼っています。



「宇佐航空隊の世界Ⅳ」を刊行したあと、新たな発掘が無く「発掘・保存」は終わり、これからは「伝唱」の時代だとして「宇佐航空隊平和ウォーク」「平和のともしび」といった航空隊を通して戦争や平和を考えてもらう活動に力を入れていた豊の国宇佐市塾ですが2010年に転機を迎えます。

戦時中、宇佐市にあった陸軍の工場「小倉陸軍造兵廠糸口山製造所」がありましたが、その詳細については殆ど知られてなく、調査に挑む人も何人かいたようですが解明には至っていませんでした。
その調査を2009年より行っていた私、藤原が豊の国宇佐市塾塾生で宇佐市民図書館長の井上治広氏の協力で全容を解明することにより、宇佐航空隊をめぐる活動は劇的に展開していきます。


小倉陸軍造兵廠糸口山製造所



劇的に変化できた大きな要因は、国会図書館にある米国立公文書のマイクロフィルムの複製を入手できたことです。これまで中央と地方とでは情報の入手しやすさに関して大きな差があり、これが情報格差となっていました。



  • 私の調査で、国会図書館の憲政資料室にある米国立公文書館のマイクロフィルムに「小倉陸軍造兵廠糸口山製造所」に関する資料があるというところまで掴みましたが、国会図書館まで出向くこと、そしてマイクロフィルムを紙資料として印刷することを考えると費用は膨大になるので躊躇していました。そこで豊の国宇佐市塾の井上治廣氏に相談します。
  • 井上治廣氏は当時、宇佐市民図書館長でした。豊の国宇佐市塾では、宇佐航空隊の年表作成や別府の料亭「なるみ」に残された海軍士官の書の解読などを担当しており、他の塾生からは「宇佐航空隊の生き字引」と呼ばれています。そして現在は「宇佐市平和資料館」の館長をしております。


井上図書館長を通じて、私と平田塾頭を含めた三者による協議をしました。そこで豊の国宇佐市塾も喉から手が出るほど切望していた米軍の宇佐航空隊に関する情報も存在することを示唆することにより、私が自費で国会図書館に出向いて「小倉陸軍造兵廠糸口山製造所」「宇佐海軍航空隊」に関する米軍資料調査・資料取得手続きを行い、宇佐市民図書館が資料購入を行い、宇佐市民図書館で資料の閲覧を行うという図式が成り立ち、合意に至りました。



国会図書館でマイクロフィルムで保管されていた「小倉陸軍造兵廠糸口山製造所」は分割されていたので、それらをスキャンして縮尺を合わせて1枚に繋ぎ合わせると、合計4枚の詳細な地図を確認できました。これらを元に2010年9月2日に豊の国宇佐市塾で記者会見を行い、後日新聞各紙の記事となりました。



それらの活動を纏めて「第14回 図書館を使った調べる学習コンクール」に応募します。
その結果、文部科学大臣賞を受賞。表彰式会場で選考委員からは「図書館長を使って応募したのは、あなただけだ」と言われました。



小倉陸軍造兵廠糸口山製造所に関する資料の発見も大きな成果でしたが、もう一つの「宇佐海軍航空隊」に関する資料は英文の為、翻訳する必要がありました。ただ自分は英語が苦手なので、英語を勉強するより、英語ができる人材をスカウトした方が早いと考え、以前より目をつけておりました織田氏を勧誘します。その織田氏が新名氏を勧誘して3名体制での研究になりました。



翌年2011年3月末に新名氏が米国立公文書館の映像を販売している会社の映像から宇佐海軍航空隊の空襲映像を発見。それまでに翻訳解読した「米艦上機戦闘詳報」により宇佐海軍航空隊の初空襲の映像と確認された。5月に記者発表を行い大反響となります。
その映像は「ガンカメラ」と呼ばれる戦果確認用のカメラで16mmフィルムを使用して撮影されたものになります。米軍の戦闘機は「ガンカメラ」が標準装備でした。



次に映像の検証ですが、現在の宇佐の山並みとガンカメラ映像の中の山並みを比較しますと、山の稜線の起伏形状が一致することにより「宇佐への攻撃」と断定できました。



次に飛行場内のエプロン(駐機場)の境目や外周の道路の形状が一致したことにより、「宇佐海軍航空隊」と断定できました。



エプロンに大型爆弾による穴が確認できないので、「B29の爆撃を受ける前の3月18日の空襲の映像」と断定できました。



そして機体の影が真下にあることにより、時間は南中時間前後、この日は12時22分ごろの為、「12時20分の米空母ヨークタウン隊の空襲」と断定できました。



それでは実際に見て頂きたいと思います。



この宇佐海軍航空隊への空襲映像が「空襲の映像・資料(戦闘詳報)・空襲の証言」が揃った初めての例なのかを検証するため、その年の8月に大牟田市で行われた「空襲・戦災を記録する会全国連絡会議」にて織田氏と新名氏が報告を行い、そこで「全国初」ということを確認いたしました。



その後、機会があるたびに映像発見の記者会見を行い全国的にも注目されるようになりました。2015年3月にはTBS戦後70周年 千の証言スペシャル「わたしの街も戦場だった」の制作に協力させていただき、2017年NHKスペシャル「本土空襲全記録」でも制作協力を致しました。


このような映像を駆使した研究はどのように評価されているのか?



知人より『歴史学者の御厨貴氏が「政治家の見極め方」という本で感想を書いている』と聞き、読んでみました。冒頭から「ガンカメラ映像の衝撃」という見出しがありまして「(歴史)の見方・考え方を根底から揺り動かす鮮烈な体験」としてガンカメラ映像を紹介。他にも「ゲーム感覚の研究成果」という見出しで「歴史学者が想像もしないことをゲーム感覚で研究している。」と自分達3人のガンカメラ映像研究を評価してくださいました。私個人としましては大学に行っていない軍事オタクでありますので「痛快」の一言に尽きます。



ガンカメラ映像発見等に沸いた翌年2012年はこのような経緯をたどっています。



2012年3月に宇佐細見読本11冊目となる「宇佐航空隊の世界Ⅴ」が刊行されました。
「宇佐航空隊の世界Ⅳ」から実に14年ぶりの刊行となりました。



そして刊行記念の講演と資料展を宇佐市民図書館にて行いましたが、5巻目の刊行のきっかけとなった私が実行委員長となりました。
写真はこの資料展に合わせて作製した九七式艦上攻撃機の実物大の尾翼(レプリカ)になります。一緒に写っている方は、「宇佐海軍航空隊についていち早く保存しなければ!」と「宇佐海軍航空隊始末記」「遥かなる宇佐海軍航空隊」などの執筆活動しておりました今戸公徳氏です。


映画「永遠の0」の零戦購入



2012年5月21日に「永遠の0」映画化が決定。零戦の実物大模型も製作されると報道されました。この一報を知った私がガンカメラ研究仲間の織田氏・新名氏の同意を確認後に、平田塾頭に宇佐市に購入してもらうように進言します。27日に豊の国宇佐市塾内の意見を統一し
翌28日、平田塾頭が是永宇佐市長に面会、零戦の実物大模型購入を進言し、その場で是永氏(当時の宇佐市長)が購入を決断。購入に向けて大きく動きます。10月30日臨時市議会にて「永遠の0」の実物大模型を購入することが議決されます。製作発表即日の購入進言から市長決断まで8日という極短期間でした。


なぜ「永遠の0」なのか?



宇佐市が将来的に平和ミュージアムを作成するならば、その前に試験的な施設が必要になると考え、航空機の本物が手に入る方法・予算がないと分かっていたので、実現可能なこととして実物大模型の航空機、できれば映画撮影に使用されたものが話題性もあるということで間近で映画化されそうな小説として「永遠の0」を読みました。巻末の参考文献には、須崎勝彌氏の「カミカゼの真実」、城山三郎氏の「指揮官たちの特攻」がありました。これらの小説の一部には宇佐海軍航空隊も関連しています。



自分が「永遠の0」を読んで驚いたのが、物語のクライマックスで主人公の「宮部久蔵」と予備学生士官の大石賢一郎少尉が機体交換し大石少尉が機体故障により生還するエピソードです。史実では、宇佐海軍航空隊の特攻隊「八幡神忠隊」予備学生士官の大石政則少尉が乗機の九七艦攻が油漏れすることを隠して船川睦夫二飛曹の乗機と交換したとあります。
そして大石少尉は特攻戦死、船川二飛曹は油漏れにより種子島に不時着するのです。
あまりにもよく似たエピソードなので、私はこれが「永遠の0」のモデルケースではないかと思っています。
今回は時間の都合上、詳しく説明できませんが、また卓話をさせていただける機会があれば宇佐市の「永遠の0」の零戦の実物大模型購入と小説「永遠の0」と宇佐海軍航空隊で実際にあったもう一つの「永遠の0」との関連を詳しく説明したいと思います。



そして2013年6月に「宇佐市平和資料館」がオープンいたしました。
開館1年の入場者は予想の4倍の4万人が入場、今でも年間1万人の入場者を維持しています。


まとめ



これまで豊の国宇佐市塾は「発掘・保存・伝唱」として活動してきましたが、その中でも地域の歴史として「宇佐海軍航空隊」が根付いたことが一番大きな成果です。
当初は本を作るだけで、暗くて地味な活動から「知事が来ない、テレビが来ない宇佐市塾」と言われていたそうですが、30数年経って、豊の国づくり塾で残ったのは「豊の国宇佐市塾」一つだけでした。平松氏(元大分県知事)が好んで書いた言葉は「継続は力」。地味であっても真摯な努力を続けることが何物にも代えがたい力になると言っていたそうです。正にその通りになりました。地域に根付いたものがあるからこそ、大きく次に踏み出せるのだと思います。
今、宇佐市は宇佐市平和ミュージアム(仮称)を計画中です。宇佐という地域から全国に発信できる大きな岐路に立っています。皆様の御理解、共感を頂けたなら幸いです。

これで今回の卓話を終わりといたします。ありがとうございました。


閉会点鐘



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