中核的価値観を身近に
ロータリーの中核的価値観、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ロータリーには、「奉仕」「親睦」「多様性」「高潔性」「リーダーシップ」という5つの中核的価値観があります。
「中核的価値観」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。しかし、実はこれらは、特別な活動をするときだけ必要なものではありません。例会でのコメント、クラブの仲間との関わり方、奉仕活動への参加など、私たちの日常の中にあるものだと私は思います。
① 奉仕(Service)
誰かの役に立とうとする気持ちです。
例えば、奉仕活動に参加して「参加人数を増やさなければ」と考えるだけではなく、「この活動を受け取る人にとって、本当に役立つことは何だろう?」と考えてみる。
同じ清掃活動でも、「ロータリーが掃除をした」という実績だけを目的にするのではなく、「地域の方が気持ちよく使える場所にしよう」と考えることが、奉仕の心です。
「何をしたか」だけでなく、「誰のために、何を届けるのか」。
そこにロータリーの奉仕があります。
② 親睦(Fellowship)
親睦とは、単に「仲良くすること」ではありません。
例えば、懇親会や食事会などの親睦の場で、いつも同じメンバーと話すのではなく、普段あまり話したことのない会員に声をかけてみる。
「どんなお仕事をされているのですか?」
「ロータリーに入ってどうですか?」
「次の奉仕活動、一緒に参加しませんか?」
そんな何気ない会話から、新しいつながりが生まれます。
特に、新しく入会した会員や、まだクラブに馴染めていない会員に声をかけることは、とても大切です。
「自分が楽しい」だけでなく、「みんなが居場所を感じられる」こと。
それがロータリーの親睦です。
また、せっかく同じクラブに入会したのですから、冠婚葬祭はもちろん、ロータリー以外の場でも時間をともにしたり、お互いが関わっているイベントや活動に参加したりサポートしあったりすることができたら、親睦はより深まるのではないかと思います。
みんなでおおいに仲良くなりたいと思います。
③ 多様性(Diversity)
ロータリーには、年齢、職業、性別、経験、考え方など、さまざまな人が集まっています。
例えば、クラブの事業について意見が分かれたとき、「自分の考えと違うから間違っている」と考えるのではなく、
「なぜ、この人はそう考えるのだろう?」
と、一度相手の立場から考えてみる。
若い会員の新しいアイデアも、経験豊富な会員の意見も、どちらもクラブにとって大切な財産です。
違いをなくすのではなく、違いを生かして、より良い答えをつくる。
それが多様性です。
④ 高潔性(Integrity)
5つの中核的価値観の中でも、「高潔性」は少し分かりにくい言葉かもしれません。
辞書的には、「けだかくて、けがれのないこと。人柄が立派で潔いこと」とされています。
ロータリーにおける高潔性とは、人柄が正しく立派で、私利私欲に流されず、道徳的・倫理的な原則や良心に忠実であることと考えることができます。
大切なのは、「人が見ているときだけ正しくする」のではないということです。
例えば、誰も見ていないところでも約束を守る。
自分に都合が悪いことでも、嘘をつかず正直に伝える。
自分の利益のために、誰かを利用したり、不正をしたりしない。
人によって態度を変えず、公平に接する。
そして、もう一つ大切なのが、人のいないところで、その人の悪口や誹謗中傷、根拠のない噂話をしないことです。
「本人の前では言えないけれど、いないところなら言ってもいい」ということではありません。
私たちが口にする言葉も、ロータリアンとしての高潔性に関わっています。
もちろん、誰にでも好き嫌いはあります。意見が合わないこともあります。しかし、だからといって相手を傷つけたり、事実ではないことを広めたりするのではなく、相手の人格を尊重しながら、必要なことは誠実に伝える。
高潔性とは、「誰も見ていないところで、どんな自分でいるか」。
そして、
「自分の利益よりも、正しいことを選べるか」
ということなのかもしれません。
ロータリーの信頼は、一人ひとりのこうした日々の行動によって築かれていきます。
⑤ リーダーシップ(Leadership)
リーダーシップというと、「会長や幹事など役職に就いている人のもの」と思われがちです。
しかし、ロータリーでは誰もがリーダーになれます。
例えば、例会で誰も手を挙げないときに、「では、私がやってみます」と最初に一歩踏み出す。
新しい会員が困っているときに、「一緒にやりましょう」と声をかける。
クラブに新しいアイデアがあったときに、「難しい」と終わらせるのではなく、「どうすればできるだろう?」と考える。
こうした小さな一歩も、立派なリーダーシップです。
リーダーとは、先頭に立つ人だけではありません。誰かの最初の一歩を後押しできる人もリーダーだと思います。
________________________________________
5つの価値観は、別々のものではありません
この5つは、実はつながっています。
仲間と親睦を深め(親睦)、さまざまな意見を受け入れ(多様性)、誠実に話し合い(高潔性)、一緒に一歩を踏み出し(リーダーシップ)、誰かのために行動する(奉仕)。
つまり、中核的価値観とは、難しい理念を覚えるためのものではなく、「私たちは、どんなロータリアンでありたいのか」を示す羅針盤なのではないでしょうか。
今日、誰かに声をかけること。 誰かの意見を一度じっくり聞いてみること。 「やってみましょう」と一歩踏み出すこと。
そんな小さな行動の一つひとつが、ロータリーの中核的価値観につながっています。
ロータリーの価値観は、掲げるものではなく、日々の行動で示すもの。
まずは今日、私たちにできる小さな一歩から一緒に始めてみませんか。







