ロータリーの魅力発見


みなさん、こんにちは。

みなさんは、ロータリーのクラブ運営・活動における危機管理の重要性について、これまで考えてみたことがありますか?
私たちのクラブは昨年度からインターアクトクラブを提唱して活動していますし、今年度はローターアクトも提唱することになりました。また、次年度は2名の米山奨学生を担当します。クラブの会員一人ひとりが、危機管理について改めて考える良い機会になると思います。

ロータリークラブは、奉仕の理念のもと、地域や国際社会に貢献する多様な活動を行っています。特に青少年を対象とした事業は、未来のリーダーを育て、社会の健全な発展に寄与する非常に重要な取り組みです。
しかし、こうした活動の中で、ハラスメントや不適切な関わりによる問題が万が一にも発生すれば、被害を受ける当事者への深刻な影響のみならず、クラブ全体の信用を著しく損なうことになります。したがって、青少年保護とハラスメント防止は危機管理の中でも最重要課題の一つといえます。

PETSに出席された佐藤知博会長エレクトは膳所パストガバナーの危機管理の講演を聞かれたと思います。ハラスメントを防止するには、①触るな②飲むな(お酒を飲むな)③話すな とまで言われました。話をしてもいけないとは、極端な気もしますが、それほど注意しなさい、ということなのだと思います。私はこれまでに数回地区の危機管理委員に委嘱された経験があります(地区の危機管理委員には女性と医師が入ることが望ましいという規定があり、女医である私が入れば一石二鳥ということで推薦されたようです)が、これまで、一度も招集されたり研修を受けたりすることはありませんでした。しかし、次年度に向けて、7月に二回目の委員会が招集される予定になっています。地区でも危機管理が重視されつつあるということだと感じます。

私は一昨日、偶然にも水野RI理事とオンラインでご一緒する機会を頂きました。その時に危機管理の話題が上りました。
「一度コトが起これば、浪花節では絶対に解決できないと肝に銘じておいてください」
という一言が印象的でした。国内のあるクラブでハラスメント問題が発生したそうです。クラブは、一旦ハラスメント問題が発生すると、地区やガバナーへの報告義務がありますし、当該会員の身分を終結を含めた処分を検討する義務があります。そのクラブでは、会長が当該会員を庇ったために、RIからクラブの終結を言い渡されてしまい、現在その処分を免れるための手続きを行っていいるそうです。長年ともに活動した親しい会員であろうと、悪いことは悪いことなのです。情けは通用しません。お互いに厳しく自己を律してこそ、良好な信頼関係が築けるものかもしれません。

青少年事業におけるハラスメントのリスクと対策について、あらためて考えてみましょう。

(1)ハラスメントの定義と類型
青少年が関わる活動においては、次のような行為がハラスメントに該当します:

言葉による威圧・差別的発言

身体的接触や不適切な関係の強要

SNSや写真の不適切利用

性的な冗談や行動

無意識のうちに生じるパワーバランスの乱用

(2)なぜ重要なのか
被害者が心に深い傷を負う可能性がある

社会的信頼の失墜により、事業の継続が困難になる

保護者や教育機関からの信頼が失われる

近年、社会的・法的責任が厳格に問われる傾向にある

(3)主な対策
青少年保護ポリシー(Youth Protection Policy)の共有
 ロータリーインターナショナルでも明確なガイドラインがあり、クラブとしても明文化・周知が必要です。

事前の研修・チェック体制の導入
 活動前に関係者(会員・ボランティア)へのハラスメント防止研修を実施し、誓約書や守秘義務の確認を行う。

信頼できる通報・相談窓口の設置
 問題が起きたときの迅速な対応体制を整備し、青少年や保護者が安心して声を上げられる環境をつくる。

透明性のある運営
 複数人での対応・写真撮影・個人情報の取り扱いルールなどを整備し、透明性を担保する。

危機管理、特にハラスメント防止は一部の役職者の責任ではなく、クラブ全体で共有すべき倫理的課題です。次年度はクラブ内にぜひ、危機管理委員会を設けてみてはどうでしょうか?
奉仕の精神に基づき、互いに信頼し合える安全な環境を整えることで、青少年にとって魅力的で意義ある活動を提供することが可能になるのだと信じています。



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