ロータリーの魅力発見

「はい、か、イエスか、喜んで!」に込められた本当の意味

みなさん、ロータリーのいろんな場面で
「ハイかイエスか喜んでだから、引き受けます・・・」と返事をしているロータリアンを見かけませんか?
入会時に先輩から
「ロータリーの返事はハイかイエスか喜んでだよ」
と教え込まれたという方もいらっしゃると思います。

何気なく使っているこの言葉について、この言葉って・・・どうかな?と、先日村田クラブ会員増強大委員長と話す機会がありました。

ロータリークラブの例会などで耳にする言葉に、「はい、か、イエスか、喜んで!」というものがあります。一見するとユーモラスな響きを持ちながらも、そこには深い奉仕の精神が込められています。しかしこの言葉は、使い方や受け取り方によって、時に誤解や皮肉を生むこともあります。ここではその背景と、より前向きな意味でこの言葉を活かすための考え方を考察してみたいと思います。

もともとロータリーの理念である “Service Above Self”(超我の奉仕)は、「自分の利益よりも他者への奉仕を優先する」という高い理想を掲げています。日本のロータリーにおける「はい、か、イエスか、喜んで!」は、この精神を体現するための合言葉として広まったものでしょう。頼まれごとには即座に「はい」と応える。そこに奉仕の喜びがあるという考え方は、日本的な謙譲や献身の美徳と深く結びついています。

一方で、海外のロータリアンの間では同様の精神を持ちながらも、「Count me in!(私もやります!)」や「Happy to help!(喜んでお手伝いします!)」といった自然で柔軟な表現が好まれます。自らの意思を大切にし、無理のない範囲で貢献する姿勢が重んじられているのです。そこには「断らないこと」よりも、「自らの意志で行動すること」を尊重する文化的背景があります。

日本のロータリアンの間では、この言葉がしばしば冗談めかして使われることもあります。「また頼まれたけど、喜んで!と言うしかないね」といった具合に、半ば自嘲気味に使われる場面も少なくありません。つまり、この言葉には「奉仕の精神」と「断れない文化」という二つの要素が同居しているのです。そのため、本来の意図を忘れて形式的に口にしてしまうと、かえってモチベーションを下げる要因にもなりかねません。

ここで大切なのは、「言われたからする」のではなく、「自分の意思でやる」「やらせていただく」という心構えです。誰かに頼まれたことを、単なる義務としてではなく、自らの成長や他者への感謝を形にする機会と捉える。そのとき、同じ「喜んで!」という言葉が、まったく違う輝きを放ちます。受け身の奉仕ではなく、主体的な奉仕へ。自らの内から湧き出る意欲こそが、真のロータリアン精神を支える原動力となるのではないでしょうか。

「はい、か、イエスか、喜んで!」という言葉は、単なる合言葉ではなく、私たち一人ひとりが「奉仕の喜びとは何か」を問い直すための鏡でもあります。形だけの返事ではなく、自らの意志と感謝の心を込めて「喜んで!」と言えるように。そうした姿勢が広がっていけば、ロータリーの理念はより深く、より生きた形で次の世代へと受け継がれていくことでしょう。

奉仕を「やらされること」から「やりたいこと」へ。
その転換が、ロータリアンの誇りをいっそう輝かせるのだと思います。


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