ロータリーの目的をわかりやすく考える
みなさん、こんにちは。
先週の会員増強の卓話の中に
「自分の言葉でロータリーを説明できるようになりましょう」
という話がありました。みなさんは家族や友だちから
「ロータリーって、何?」
と聞かれたときに、答えを準備されているでしょうか?
今回は「ロータリーの目的」について一緒に考えてみましょう。ロータリーの会員として活動をしていくうえで、ぜひ心に留めておきたいのが「ロータリーの目的(Object of Rotary)」です。これは、国際ロータリーの基本理念を簡潔にまとめたもので、世界中のクラブや会員が同じ方向を向くための指針となっています。
ロータリーの目的は大きく四つに整理されています。ひとつひとつを、私たちの日常に引き寄せて考えてみました。
第一の目的は、「知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること」です。
「奉仕」と聞くと、特別なボランティアや大規模なプロジェクトを思い浮かべるかもしれません。しかしロータリーが言う奉仕は、必ずしも大げさなものではありません。たとえば、職場で部下の成長を支援することや、地域のイベントに顔を出してお手伝いすることも立派な奉仕です。クラブの中で、インターアクトやローターアクトの例会や活動はじめ、様々な奉仕活動に参加することも奉仕です。
参加することで人の役に立つことはもちろんですが、お互いに親しみが湧き、親睦が深まります。
ロータリアンは、そうした小さな「人のために動く心」を日常に生かし、その価値を周囲に伝えていくことが求められています。
第二の目的は、「職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること」
ちょっと難しい文章ですが、簡単に言うと「職業を通じて高い倫理を実践し、社会に貢献すること」です。
ロータリーはもともと「職業を通じた奉仕」を大切にしてきました。自分の仕事に誠実であること、公正であることが、結果的に社会全体の信頼につながります。たとえば、私は医師ですが、医師の会員なら患者さんに真摯に向き合うことが求められます。また、職業奉仕部門の部門長は弁護士さんですが、弁護士の会員なら日常生活においても自分と他人と両方に正直であることが求められると以前卓話でお聞きしました。それ以外の職業でも、顧客に誠実であることや寄り添うことが求められるのではないでしょうか?これらは日々の職業活動そのものが奉仕となり、ロータリーの理念を体現しているのです。
第三の目的は、「ロータリアン一人ひとりが個人として、また事業及び社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること」です。
これは、クラブ活動だけにとどまらず、家庭や職場でもロータリーの精神を生かそうということです。たとえば、家庭での思いやりや、地域での協力的な姿勢もまた奉仕の一部です。「ロータリーの精神は会合の中だけで終わるものではなく、生活全体に生きている」ということを意識してみましょう。以前、RLIに参加した他クラブの会員さんが「入会して、自然に道に落ちているごみを拾えるようになった」と仰ってました。それもまた奉仕の理念の実践であると思います。
第四の目的は、「奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること」です。
ロータリーは200以上の国と地域に広がる国際的な組織です。世界各地で活動するロータリアンと心を通わせることは、平和の礎を築く大切な一歩となります。たとえば、ポリオ根絶運動に代表される国際奉仕は、国境を越えて多くの子どもたちを守ってきました。私たちが一つの目的のもとに協力する姿は、世界に向けたロータリーの誇りといえるでしょう。
この四つの目的は、それぞれが独立しているようで、実は密接につながっています。日常の小さな奉仕が職業倫理と結びつき、それが家庭や地域社会へと広がり、やがて国際理解や平和へとつながっていく。そうした流れの中心に、ロータリアン一人ひとりの行動があります。
「ロータリーの目的」を学ぶことは、単なる知識の習得ではなく、自分自身の生き方を省みるきっかけになります。クラブの活動に参加するたびに、この目的を思い返し、「自分は今、どの目的に沿った行動をしているだろうか」と考えてみると、活動の意義がより深く実感できるはずです。
ロータリーの目的は、会員全員が共有する「羅針盤」です。ぜひ日常の中で意識し、実践を通じてその価値を体感していただければと思います。
その上で、
「ロータリーって何?なんのためにあるの?」
と尋ねられたときに、自分の言葉で伝えることができたら、嬉しいですね!