なぜ、ポリオなの?
「なぜポリオなの?」
こんにちは。今年度クラブ研修リーダーの植山朋代です。
10月24日の「ポリオデー」が近づいてきました。ロータリーのあちこちで「ポリオ」「ポリオデー」「ポリオプラス」等の言葉を耳にするシーズンです。昨年から「ポリオプラスソサエティ」という新しい言葉も登場してきました。
ちょっと待って、「そもそもポリオって何?」「なぜロータリーはポリオポリオって言うの?」「ポリオより、がんやⅠ型糖尿病で苦しんでいる人の方が多いのに・・・」そんな声も時々聞こえます。
マイロータリ―のポリオ根絶活動のページを見てみました。
ポリオ(急性灰白髄炎)は非常に感染性の高い病気であり、特に感染しやすいのは5歳未満の子どもです。日本では一般に「小児まひ」と呼ばれることもあります。
ポリオウイルスは人から人へ感染し、最も多いのは汚染水を通じた感染です。神経系を侵すこともあり、これによって身体のまひを引き起こす可能性があります。治療法はありませんが、安全なワクチンで予防が可能です。ロータリーとそのパートナー団体は、これまで世界中25億人以上の子どもにワクチンを投与する活動を行ってきました。
と説明されています。注目して欲しいポイントがいくつかあります。1つ目は、5歳未満のこどもに感染しやすいこと。2つ目は、身体の麻痺を引き起こす可能性があること、そしてこの麻痺は、残念ながら治す薬や方法がないということ。3つ目はワクチンで予防可能な病気であるということ、です。
ポリオの経口生ワクチン(毒性を減らした生のウイルスを口から飲むことで免疫をつけるワクチン)が承認されたのは1960年のことです。ワクチン接種が行われる前、日本国内でもポリオが大流行し、年間5000人もの患者が発生しました。1979年にロータリーがフィリピンの子ども600万人にポリオワクチンを届けたのがロータリーのポリオ根絶運動の始まりです。1985年には国際ロータリーが「ポリオプラス」を開始し、これは民間による国際的な公共保険事業としては史上初で最大規模でした。1988年には、国際ロータリーはWHOと組んで「世界ポリオ撲滅推進活動」を立ち上げます。当時、ポリオは125か国で35万件以上発生していたと推定されています。
日本ではワクチンの導入で流行がおさまり、1980年に1名が発症したのが最後です。南北アメリカで撲滅宣言が出たのが1994年、オーストラリアから中国にわたる西太平洋地域で撲滅が宣言されたのがようやく2000年のことでした。現在では発症者が認められるのはアフガニスタンとパキスタンの二国だけになっていましたが、先日パレスチナ自治区ガザ地区で25年ぶりのポリオ発症者があり、戦闘を休止してワクチン接種を行ったことはみなさんの耳に新しいことと思います。
覚えておいて欲しいのは、いくら自国で撲滅しても、ポリオを永久に無くさないかぎり、世界中の子どもたちにも感染するリスクがある、ということです。根絶できなければ、今後10年間に、世界で20万人以上の患者が出る可能性があると指摘されています。そしてポリオ根絶は、ひたすらワクチンを接種し続けることでしか成しえないのです。
ちなみに「ポリオプラス」というのは、ロータリー財団によるポリオの撲滅を目的とした事業で、ポリオのほか、ハシカ、ジフテリア、結核、破傷風、百日咳などの主要な伝染病の撲滅にも取り組んでいます。
世界からひとつの病気を根絶することができたら、何と素晴らしいことでしょうか!みなさん、その大きな一助となる組織に属していることを誇りに思って下さい。そして、みなさん一人ひとりが、根絶運動や寄付などに、何らかのかたちでご支援下さいましたら、根絶できる日がきっと一歩近づきます。
世界ポリオデーは、なぜ10月24日なのか?それは、ポリオワクチンを開発したソーク博士の誕生日にちなんでいるそうです。ポリオ根絶のために自分ができることは何だろう?一緒に考えてみませんか?