奉仕について考えてみよう~その1 クラブ奉仕~
こんにちは。クラブ研修リーダーの植山です。
今週は「ロータリーの奉仕」について一緒に考えてみたいと思います。ロータリーには、「ロータリーの五大奉仕部門」と呼ばれる概念があります。ロータリークラブの活動の、哲学的および実際的な基準です。ロータリー歴の長い方はすでにご存じと思いますが、知らなかった方はこれを機会にぜひ覚えて下さいね。ロータリーの五大奉仕部門は次の5つです。
1. クラブ奉仕
2. 職業奉仕
3. 社会奉仕
4. 国際奉仕
5. 青少年奉仕
アイコンに使っている画像は、「ロータリの樹」です。この樹の根っこのところにあるのが、「クラブ奉仕」です。今回はロータリーの五大奉仕部門の1番に据えられている、クラブ奉仕について考えてみたいと思います。そもそもこのクラブ奉仕というのは、いったい何を指すのでしょうか。こう問いかけると、私自身も、はっきりと答えられる自信がないので調べてみました。
「奉仕の第一部門であるクラブ奉仕は、本クラブの機能を充実させるために、クラブ内で会員が取るべき行動に関わるものである。」
と、標準ロータリークラブ定款および手続き要覧に定義されています。わかるような、わからないような定義です。
マイロータリ―には、
「会員同士の関係をはぐくみ、積極的な会員増強計画を実行して、活気あるクラブづくりを行うことです」
と説明されています。もしかして、クラブ奉仕というのは、クラブが会員に奉仕することを指すのかな?と思える文章です。
私自身もちょっとわからなくなってきましたので、いろいろと検索してみたところ、国際ロータリー第2800地区の鈴木一作パストガバナーによる「クラブ奉仕の正しい理解」と題した素晴らしいプレゼン動画を見つけました。
動画によると、クラブ奉仕の概念は、1927年ベルギーのオステンド国際大会で、それまでのロータリーの一般奉仕概念が「クラブ奉仕」「職業奉仕」「社会奉仕」に分割されたのが始まりだそうです。
また、1931年にRIが発行した正式な解説書には
「クラブ奉仕とは、クラブ会員がクラブに対して果たす義務であると同時に、クラブがクラブ会員に対して果たす責務でもある。」
と記されており、ロータリー通解(ガイ・ガンデッカー著)にも同じ文章が書かれているそうです。私はこれまで、クラブ奉仕というのは私たち会員がクラブに対して行う奉仕のことであると思っていましたので、クラブが会員に対して果たす責務のこともクラブ奉仕なのだという考え方は、目から鱗が落ちる気がしました。
この動画は大変素晴らしい内容で、私たちがロータリーへの理解を深めるのに大変役に立つ内容ですので、ぜひお時間ある時にご覧になって下さい。
https://youtu.be/L1jzRZ1tXs0?si=6KKONegMYxfflCvd
では、私たちが会員としてクラブに対してできることは何でしょうか?それは、クラブの会合に出席すること、クラブの親睦に加わること、クラブのプログラムに参加ること、委員になること、理事を務めること、新しい会員さんを誘うこと、会費を払うことなどです。また、クラブ外の活動においてクラブを代表すること、例えば他のロータリークラブで卓話をしたり、インターシティミーティングや、地区協議会、地区大会はじめその他の地区の行事に出席したりすることもクラブ奉仕であると言えるでしょう。
みなさん、こうして例会に出席しているだけで、すでにクラブ奉仕を実践していることになるわけです。クラブの活動や親睦会に参加して楽しむこともクラブ奉仕です。簡単でしょう?ただし、そこには親睦と学びがなければなりません。
一方クラブには、会員が親睦を深め、学びを得られるような例会や会合を提供する義務があります。会員増強に努め、活気あるクラブの運営を行うこともクラブの会員に対するクラブ奉仕です。会長はじめ理事会メンバー一同、クラブと会員のために何ができるかを一生懸命に考え、企画し、運営しています。興味をそそる企画もあれば、そうでないものもあるかもしれませんが、クラブの企画として、ご理解いただき、サポートして頂ければ嬉しいです。また、実行してみたい奉仕活動や親睦会のアイディアはいつでも大歓迎です。どんどんご提案お願い致します。
先ほどの鈴木一作パストガバナーは動画の中で、クラブ奉仕を実践するにあたり、欠かせないのがポールハリスの「寛容の精神」であると説いています。寛容というのは。お互いに相手の欠点を我慢し合うことの大切さを指し、ロータリーの発展は寛容の精神なくしてありえないとポールハリスが100年前に述べているそうです。これは、クラブの発展においても同様だと思います。
こうして考えていくと、クラブ奉仕というのは、
「会員同士が寛容と思いやりの心をもって仲良くしながら、同じ目標を共有していく中で、ロータリーやクラブ、そしてお互いに対する義務を果たしていくこと」
であるように私は思います。その上でクラブは「会員のためにできることは何か」を考え、一人ひとりは「今、クラブのために自分にできることは何か」を考え、それを実践することが何よりのクラブ奉仕なのではないでしょうか。